中水準消毒薬はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
消毒薬は、その殺菌スペクトルと作用強度により、高水準、中水準、低水準に分類されます。本問題では中水準消毒薬を問われています。グルタルアルデヒドは高水準、塩化ベンザルコニウムとクロルヘキシジンは低水準消毒薬です。一方、次亜塩素酸ナトリウムとポビドンヨードは、結核菌や一部のウイルスに有効であるため、中水準消毒薬に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 塩化ベンザルコニウムは、陽イオン界面活性剤に分類される低水準消毒薬です。主に手指消毒や環境表面の清拭に用いられますが、結核菌や非エンベロープウイルス、芽胞には効果が期待できません。正しくは:低水準消毒薬に分類されます。選びやすい理由:日常的に目にする機会が多く、消毒薬として広く認識されているため、消毒効果が高いと誤解しやすいかもしれません。混同注意:他の界面活性剤(両性界面活性剤など)や、より広範囲な消毒効果を持つ中水準消毒薬と混同しやすいです。
- 2. クロルヘキシジンは、ビグアナイド系に分類される低水準消毒薬です。持続的な殺菌効果があり、手術前の皮膚消毒やうがい薬などに用いられますが、結核菌、非エンベロープウイルス、芽胞には効果がありません。正しくは:低水準消毒薬に分類されます。選びやすい理由:医療現場で広く使われ、その効能が強調されることが多いため、中水準以上の効果があると錯覚しやすいです。混同注意:アルコールやヨード系消毒薬など、より広範囲な微生物に有効な消毒薬と混同することがあります。
- 3. グルタルアルデヒドは、アルデヒド系に分類される高水準消毒薬です。芽胞を含むほぼ全ての微生物に有効で、内視鏡などの医療機器の滅菌・消毒に用いられます。中水準消毒薬よりもはるかに強力な消毒効果を持ちます。正しくは:高水準消毒薬に分類されます。選びやすい理由:消毒薬としての効果が非常に高いため、消毒薬の分類の中でも上位に位置することは理解しやすいですが、中水準ではなく高水準であることを誤認しやすいです。混同注意:同じく高水準消毒薬である過酢酸やフタラール、または滅菌操作そのものと混同することがあります。
- 4. 正解。次亜塩素酸ナトリウムは、塩素系消毒薬の一種で、中水準消毒薬に分類されます。栄養型細菌、真菌、結核菌、多くのウイルスに有効であり、環境表面の消毒や医療器具の浸漬消毒などに広く用いられます。芽胞には効果がありません。
- 5. 正解。ポビドンヨードは、ヨード系消毒薬の一種で、中水準消毒薬に分類されます。幅広い抗菌スペクトルを持ち、栄養型細菌、真菌、結核菌、ウイルスに有効で、手術部位の皮膚消毒や粘膜消毒に用いられます。芽胞には効果がありません。
国試ポイント
消毒薬の分類(高水準、中水準、低水準)と、それぞれの代表的な薬剤名を正確に覚えているかどうかが問われる定番問題です。特に、各消毒薬がどの水準に属し、どのような微生物に効果があるのか、また、どのような用途で用いられるのかを理解しておく必要があります。複数選択形式であるため、曖つた知識では正答できません。
混同注意
各消毒薬の有効微生物範囲と作用機序、そして「滅菌」との違いが混同しやすいポイントです。特に、日常的に使用される消毒薬(低水準)の効果を過大評価しがちです。また、高水準消毒薬と中水準消毒薬の境界線も曖昧になりやすいです。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、各消毒薬の適用対象微生物(特に芽胞、結核菌、エンベロープウイルス、非エンベロープウイルスへの効果の有無)や、具体的な使用例(例:内視鏡の消毒、手術野の消毒、手指消毒)から、該当する消毒薬の分類を判別できるかを問われる可能性があります。また、より詳細な作用機序や、特定病原体に対する選択的な効果が問われることも考えられます。
関連知識
消毒薬の種類(アルコール系、ヨード系、塩素系、界面活性剤系、アルデヒド系など)、各消毒薬の作用機序、適用される状況(皮膚、粘膜、医療機器、環境表面など)、禁忌事項、副作用についても理解しておくことが重要です。特に医療従事者としては、適切な消毒薬の選択が感染制御に直結するため、基礎知識として必須です。