活性化プロテインCが失活させる凝固因子はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
活性化プロテインC (APC) は、プロテインSを補因子として、凝固経路において重要な補因子である第Ⅴa因子と第Ⅷa因子を選択的に限定分解し、その機能を失活させることで、凝固反応を抑制する抗凝固作用を持つ。この抗凝固作用は、血栓形成の抑制に不可欠な生体内のメカニズムである。
選択肢ごとの解説
- 1. 第Ⅱ因子(プロトロンビン)は、トロンビンに活性化される凝固因子ですが、活性化プロテインCによって直接不活性化される因子ではありません。正しくは:活性化プロテインCが不活性化するのは第Ⅴ因子と第Ⅷ因子です。選びやすい理由:凝固カスケードの上流に位置し、重要な役割を担うため、選択肢として考慮しやすいかもしれません。混同注意:第Ⅱ因子はトロンビン(第Ⅱa因子)として、他の凝固因子を活性化する中心的な役割を担いますが、活性化プロテインCの標的因子ではありません。
- 2. 正解。活性化プロテインC(APC)は、第Ⅴ因子(特に活性型である第Ⅴa因子)を加水分解し、その補因子活性を抑制することで凝固反応を阻害します。
- 3. 第Ⅶ因子は、組織因子(TF)と複合体を形成し、第Ⅸ因子や第Ⅹ因子を活性化する役割がありますが、活性化プロテインCの直接的な標的ではありません。正しくは:活性化プロテインCが不活性化するのは第Ⅴ因子と第Ⅷ因子です。選びやすい理由:外因系凝固経路の開始因子であり、凝固制御の文脈で想起されやすい因子ですが、APCの直接の標的ではありません。混同注意:第Ⅶ因子は、凝固開始に重要な役割を担いますが、プロテインC経路の制御対象とは異なります。
- 4. 正解。活性化プロテインC(APC)は、第Ⅷ因子(特に活性型である第Ⅷa因子)を加水分解し、その補因子活性を抑制することで凝固反応を阻害します。
- 5. 第Ⅸ因子は、活性化されると第Ⅷa因子とともに第Ⅹ因子を活性化する重要な因子ですが、活性化プロテインCによって直接不活性化される因子ではありません。正しくは:活性化プロテインCが不活性化するのは第Ⅴ因子と第Ⅷ因子です。選びやすい理由:内因系凝固経路に属する主要な因子であり、凝固疾患との関連も深いため、選択肢として誤って選ばれる可能性があります。混同注意:第Ⅸ因子は血友病Bの原因因子であり、その重要性から想起されやすいですが、活性化プロテインCの標的ではない点で混同しやすいかもしれません。
国試ポイント
凝固・線溶系の問題では、特定の因子がどの経路に属するか、またその活性化・不活性化に関わる因子は何か、という組み合わせが頻繁に出題されます。特にプロテインC経路は、凝固制御の重要なメカニズムであり、その標的因子は必須知識です。活性型プロテインCが第Ⅴa因子と第Ⅷa因子を不活性化するという直接的な知識が問われています。また、2つ選べという形式も特徴です。
混同注意
第Ⅱ因子(プロトロンビン)や第Ⅶ因子(組織因子経路の開始因子)、第Ⅸ因子といった他の主要な凝固因子と、活性化プロテインCの標的因子を混同しやすい。凝固カスケード全体像の理解が不十分だと、どの因子がどの制御系に属するか見分けがつきにくくなります。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、活性化プロテインCの補因子(プロテインS)や、活性化プロテインC抵抗性の原因因子(第Ⅴ因子ライデン変異)について問われる可能性があります。また、フィブリノゲンやアンチトロンビン、プラスミンなどの他の凝固・線溶系因子とその機能についても関連付けて問われることが予想されます。
関連知識
プロテインC欠損症、プロテインS欠損症は血栓性素因となり、遺伝性血栓性素因の代表的な疾患である。活性化プロテインC抵抗性(APCR)は、第Ⅴ因子の特定の変異(第Ⅴ因子ライデン変異)によりAPCによる不活性化を受けにくくなる状態で、これも血栓症のリスク因子となる。