抗体同定検査の抗原表(別冊No. 13A)及びカラム凝集法の間接抗グロブリン試験の結果(別冊No. 13B)を別に示す。可能性の高い抗体はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
画像Bの抗体同定結果を見ると、赤血球1と赤血球3で凝集が認められます。画像Aの抗原表と照合すると、赤血球1と赤血球3に共通して陽性なのは抗原Eのみです。したがって、患者血清中に抗E抗体が存在すると考えられます。
選択肢ごとの解説
- 1. 抗c抗体は、赤血球1, 3, 5, 6で陽性反応を示すはずですが、画像Bでは赤血球5, 6で凝集が認められません。正しくは:患者血清が抗c抗体である場合、赤血球1, 3, 5, 6で凝集が観察されるべきです。選びやすい理由:Rh血液型抗原は臨床的に重要であり、抗cもよく見られる抗体の一つであるため、知識の混乱から選択する可能性があります。混同注意:他のRh式血液型抗原に対する抗体(例: 抗e)
- 2. 抗C抗体は、赤血球1, 2, 4で陽性反応を示すはずですが、画像Bでは赤血球2, 4で凝集が認められません。正しくは:患者血清が抗C抗体である場合、赤血球1, 2, 4で凝集が観察されるべきです。選びやすい理由:Rh血液型抗原は臨床的に重要であり、抗Cもよく見られる抗体の一つであるため、知識の混乱から選択する可能性があります。混同注意:他のRh式血液型抗原に対する抗体(例: 抗D)
- 3. 正解。画像Bより、赤血球1と赤血球3で凝集が認められます。画像Aの抗原表を見ると、赤血球1と赤血球3に共通して陽性(+)である抗原はEのみです。したがって、患者血清には抗E抗体が存在すると判断できます。選びやすい理由:Rh血液型抗体は複数あり、鑑別が正確に行えないと間違った選択肢を選んでしまう可能性があります。混同注意:他のRh式血液型抗原に対する抗体
- 4. 抗Fyb抗体は、赤血球1, 2, 3, 5, 6で陽性反応を示すはずですが、画像Bでは赤血球2, 5, 6で凝集が認められません。正しくは:患者血清が抗Fyb抗体である場合、赤血球1, 2, 3, 5, 6で凝集が観察されるべきです。選びやすい理由:Duffy血液型抗原も輸血医学で重要な抗原であり、選択肢として提示されることが多いため、知識の混同から選択する可能性があります。混同注意:Duffy血液型抗原に対する他の抗体(例: 抗Fya)
- 5. 抗Jkb抗体は、赤血球1, 2, 3, 6で陽性反応を示すはずですが、画像Bでは赤血球2, 6で凝集が認められません。正しくは:患者血清が抗Jkb抗体である場合、赤血球1, 2, 3, 6で凝集が観察されるべきです。選びやすい理由:Kidd血液型抗原も輸血医学で重要な抗原であり、選択肢として提示されることが多いため、知識の混同から選択する可能性があります。混同注意:Kidd血液型抗原に対する他の抗体(例: 抗Jka)
国試ポイント
間接抗グロブリン試験の結果と抗原表を正確に照合し、不規則抗体を同定する能力が問われています。特に、カラム凝集法の判定基準と、各血液型抗原の知識が必要です。
混同注意
抗体同定において、複数の抗体が共存している場合や、抗原表にない未知の抗体である場合との鑑別が重要です。今回は単一の抗体であることが明らかです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合は、まず間接抗グロブリン試験の陽性(凝集あり)を示す赤血球を特定し、次に抗原表でその赤血球に共通して存在する抗原を一つずつ確認します。最終的に、陽性反応を示した赤血球全てに共通し、陰性反応を示した赤血球全てに存在しない抗原が、同定された抗体に対応します。
関連知識
Rh血液型抗原はD, C, c, E, eの5種類が主要であり、これらの抗原に対する抗体は臨床的に重要です。特に抗D抗体は新生児溶血性疾患の主な原因となります。また、カラム凝集法では凝集がチューブ上部に分散して見られることが特徴です。