選択分離培地はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
選択分離培地とは、特定の微生物の増殖を促進または許容し、他の微生物の増殖を抑制する成分を含む培地のことです。マンニット食塩培地は高濃度の食塩を含み、高塩濃度に耐性のあるブドウ球菌を選択的に増殖させ、同時にマンニット分解能によってS. aureusなどの鑑別も行うため、選択分離培地として適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. この培地は、乳糖分解能の有無をBTB(ブロムチモールブルー)で色調変化(酸性で黄色、アルカリ性で青色)により鑑別するために用いられる鑑別培地です。SalmonellaやShigellaなどの腸内細菌の分離・鑑別に使われますが、特定の細菌の増殖を抑制する選択性はありません。正しくは:BTB乳糖寒天培地は、鑑別培地である。選びやすい理由:腸内細菌の分離・鑑別に用いられるため、分離培地と誤解しやすいかもしれません。しかし、これは鑑別を主目的としており、選択性はありません。混同注意:選択培地と鑑別培地の区別
- 2. 正解。マンニット食塩培地は、高濃度の食塩(約7.5%)を含むため、ブドウ球菌のように高塩濃度に耐性のある細菌のみを選択的に増殖させます。さらに、マンニット分解能を鑑別する機能も持ち合わせているため、選択分離培地として利用されます。
- 3. 血液加ブルセラ寒天培地は、一般的な細菌の増殖に適した基礎培地に血液を添加することで、多くの種類の細菌、特に栄養要求の複雑な菌(偏性嫌気性菌など)の培養を可能にする非選択的な富栄養培地です。選択性は持ちません。正しくは:血液加ブルセラ寒天培地は、一般的な培養に適した非選択的な富栄養培地である。選びやすい理由:様々な菌の培養に用いられるため、汎用的な培地として認識されますが、選択性があるわけではありません。混同注意:富栄養培地と選択培地の違い
- 4. トリプチケースソイ寒天培地(TSA)は、一般的な好気性・通性嫌気性細菌の培養に広く用いられる汎用的な基礎培地です。特定の菌を選択的に増殖させる成分は含まれておらず、非選択培地です。正しくは:トリプチケースソイ寒天培地は、汎用的な基礎培地であり非選択培地である。選びやすい理由:最も基本的な培地の一つであるため、どのような培地なのかを正確に覚えていないと、誤って選択肢として選んでしまう可能性があります。混同注意:基礎培地、非選択培地の概念
- 5. ブレインハートインフュージョン(BHI)寒天培地は、脳や心臓の抽出物を含む富栄養培地で、様々な細菌、特に栄養要求性の高い菌や真菌の培養に適しています。特定の菌を選択的に増殖させる機能はなく、非選択培地です。正しくは:ブレインハートインフュージョン寒天培地は、栄養要求性の高い菌や真菌の培養に適した非選択的な富栄養培地である。選びやすい理由:これも多くの種類の菌を培養できるため、選択性が高いと誤解されることがあるかもしれません。混同注意:富栄養培地と選択培地の違い
国試ポイント
臨床微生物検査における各種培地の役割(選択培地、鑑別培地、非選択培地、富栄養培地など)とその代表例を正確に理解しているかが問われます。特に、特定の成分がどのような選択性や鑑別能を与えるかを理解することが重要です。
混同注意
選択培地、鑑別培地、選択鑑別培地の違い。また、各培地の基本的な組成と機能。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の問題が出た場合は、各培地に含まれる成分がどのような選択性(特定の菌の増殖抑制・促進)や鑑別能(菌の代謝特性による色調変化など)を持つのかを詳細に確認し、その培地が『何を目的としているか』を判断基準とします。
関連知識
微生物の培養に用いられる培地の種類(基礎培地、富栄養培地、選択培地、鑑別培地、輸送培地など)と、それぞれの代表的な培地の組成や目的。グラム染色、同定検査。