直接ビリルビンが高値を示すのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
Dubin-Johnson症候群は、肝細胞で抱合された直接ビリルビンを胆管へと排泄する機能が障害されるため、直接ビリルビンが肝細胞内に滞留し、血中に逆流することで高値を示します。これは直接ビリルビン優位の遺伝性黄疸です。
選択肢ごとの解説
- 1. 新生児黄疸の多くは間接ビリルビン優位であり、肝臓のビリルビン抱合能の未熟さや溶血による間接ビリルビン過剰産生が主な原因です。正しくは:新生児黄疸の場合、主に間接ビリルビンが高値を示します。選びやすい理由:黄疸であるためビリルビンが高値を示すことは正しいですが、直接型か間接型かの区別が曖昧だと選びやすいです。混同注意:間接ビリルビン優位の黄疸と直接ビリルビン優位の黄疸の鑑別。
- 2. 溶血性貧血では赤血球が過度に破壊されるため、大量のヘムが分解されて間接ビリルビンが多量に生成され、間接ビリルビンが高値を示します。正しくは:溶血性貧血の場合、主に間接ビリルビンが高値を示します。選びやすい理由:貧血症状とともに黄疸を呈することがあり、ビリルビン値が上昇することは正しいですが、直接型か間接型かの区別ができていないと選びやすいです。混同注意:肝前性黄疸の代表例であり、間接ビリルビン優位の黄疸と直接ビリルビン優位の黄疸の鑑別。
- 3. Gilbert症候群は、肝臓でのビリルビン抱合酵素(UGT1A1)の活性が部分的に低下しているため、間接ビリルビンが軽度に上昇する遺伝性疾患です。正しくは:Gilbert症候群の場合、主に間接ビリルビンが軽度高値を示します。選びやすい理由:遺伝性黄疸の代表的な疾患であり、ビリルビン代謝異常であることは正しいですが、直接型か間接型かの区別が曖昧だと選びやすいです。混同注意:他の遺伝性黄疸、特にCrigler-Najjar症候群(間接型優位)やDubin-Johnson症候群(直接型優位)との区別。
- 4. Crigler-Najjar症候群は、ビリルビン抱合酵素(UGT1A1)の活性が著しく低下または完全に欠損しているため、間接ビリルビンが重度に上昇する疾患です。正しくは:Crigler-Najjar症候群の場合、主に間接ビリルビンが著明な高値を示します。選びやすい理由:遺伝性黄疸の中でも重篤な病態であり、ビリルビン代謝異常であることは正しいですが、直接型か間接型かの区別ができていないと選びやすいです。混同注意:Gilbert症候群との重症度の違い、およびDubin-Johnson症候群(直接型優位)との区別。
- 5. 正解。Dubin-Johnson症候群は、肝細胞から胆汁中への抱合型ビリルビン(直接ビリルビン)の排出輸送体(MRP2)の機能異常を特徴とする遺伝性疾患です。この排出障害により、血中に直接ビリルビンが逆流・蓄積するため、直接ビリルビンが高値を示します。
国試ポイント
ビリルビン代謝経路と、肝前性・肝性・肝後性黄疸における直接ビリルビンおよび間接ビリルビンの増減パターン、特に遺伝性黄疸(Gilbert症候群、Crigler-Najjar症候群、Dubin-Johnson症候群、Rotor症候群)の病態生理と上昇するビリルビンの種類を正確に理解しているかが問われています。
混同注意
間接ビリルビン優位の黄疸(新生児黄疸、溶血性貧血、Gilbert症候群、Crigler-Najjar症候群)と直接ビリルビン優位の黄疸(Dubin-Johnson症候群、Rotor症候群、閉塞性黄疸、肝炎など)の鑑別が混同しやすいポイントです。特に遺伝性黄疸の各疾患でどのビリルビンが上昇するのかを整理しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、まず「直接ビリルビン優位か、間接ビリルビン優位か」を判断し、次にそれぞれの優位性を示す主要な疾患群(溶血性、肝障害性、胆道系障害性、遺伝性代謝異常など)を想起することが求められます。特に遺伝性黄疸については、各症候群の病態生理と関連する酵素・輸送体を明確に区別することが重要です。
関連知識
ビリルビン代謝の全経路(非抱合型ビリルビンの生成、肝臓への取り込み、抱合、胆汁への排泄)と、それぞれのステップで生じる異常がどのビリルビン濃度に影響するかを理解することが重要です。また、肝臓疾患による肝細胞性黄疸や、胆道閉塞による閉塞性黄疸も直接ビリルビン優位となります。