CK-MBが著しく上昇する疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
心筋炎は心筋細胞が障害される病態であり、心筋に多く存在するCK-MBが血中に大量に放出されます。これにより、CK-MBは著しい高値を示し、心筋損傷の重要なマーカーとなります。他の選択肢は骨格筋疾患や神経筋疾患であり、CK-MBの「著しい」上昇は通常認められません(骨格筋疾患では総CKやCK-MMが上昇します)。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。心筋炎は心筋細胞が炎症を起こし損傷するため、心筋に特異性の高いCK-MBが血中に大量に放出され、著しい上昇を示します。
- 2. 皮膚筋炎では全身の骨格筋が障害されるため、総CK値は上昇しますが、CK-MBの主な由来は心筋であるため、著しい上昇は見られません。主にCK-MMが上昇します。正しくは:著しく上昇するのは総CK(CK-MM分画)です。選びやすい理由:「筋炎」という名称から、筋肉の炎症があればCK-MBも上昇すると誤解しやすいかもしれません。しかし、CK-MBは心筋に多く存在するため、骨格筋の疾患では心筋疾患ほど著明な上昇は見られません。混同注意:心筋梗塞や心筋炎など心臓由来のCK-MB上昇と、骨格筋由来の総CK(CK-MM)上昇と混同しやすいです。
- 3. 重症筋無力症は神経筋接合部の異常による自己免疫疾患であり、筋細胞自体の破壊を伴わないため、CK-MBを含むCK値は通常上昇しません。正しくは:CK-MB値は通常、正常範囲内です。選びやすい理由:筋疾患と誤解されやすいですが、筋肉の機能障害が主であり、筋肉の壊死や炎症ではありません。混同注意:筋疾患一般のイメージと混同し、CK値が上昇すると誤解する可能性があります。
- 4. 筋萎縮性側索硬化症は運動ニューロンの変性によって筋萎縮が進行する神経疾患であり、筋細胞の破壊が主ではないため、CK-MBを含むCK値は通常上昇しません。正しくは:CK-MB値は通常、正常範囲内です。選びやすい理由:筋萎縮という言葉から、筋肉が破壊されていると連想しやすいですが、これは神経による支配の喪失が原因です。混同注意:筋炎や筋ジストロフィーのような原発性筋疾患と混同する可能性があります。
- 5. Duchenne型筋ジストロフィーでは骨格筋の進行性の変性・壊死が生じるため、総CK値は非常に高値を示しますが(数千~数万U/L)、CK-MBは心筋に多く含まれる分画であり、骨格筋の壊死では主にCK-MMが上昇します。心筋も障害されることがありますが、「著しい上昇」という表現は通常、急性心筋梗塞や重度の心筋炎といった心臓イベントを示唆します。正しくは:CK-MMが著しく上昇します。心筋合併症がある場合はCK-MBも上昇しますが、骨格筋由来のCK-MMが主です。選びやすい理由:重度の筋疾患であるため、CK値が非常に高くなることは事実です。しかし、CK-MBに特化した「著しく上昇」という表現からは、心臓由来の疾患がより適切と考えられます。混同注意:総CK値の異常な高値と、CK-MBの心筋特異性という点を混同しやすいです。
国試ポイント
クレアチンキナーゼ(CK)のアイソザイム(CK-MM、CK-MB、CK-BB)それぞれの主要な存在部位と、どの疾患でどのアイソザイムが上昇するかを正確に理解しているかを問う問題です。特にCK-MBの心筋特異性に着目させる点がポイントです。
混同注意
総CK値の上昇とCK-MB値の上昇、骨格筋疾患におけるCK-MM上昇と心筋疾患におけるCK-MB上昇、「筋」という言葉から全ての筋疾患でCK-MBが上昇すると誤解すること。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合は、CKアイソザイムのそれぞれの臓器特異性と、それぞれの疾患における上昇パターン(どの分画が、どの程度)を正確に把握しているかを確認すると良いでしょう。特に、心筋疾患と骨格筋疾患におけるCK-MBとCK-MMの相対的な上昇度合いが重要です。
関連知識
CKアイソザイム:CK-MM(骨格筋、心筋)、CK-MB(心筋)、CK-BB(脳、平滑筋、一部の腫瘍)。急性心筋梗塞:CK-MBが早期から上昇し、診断マーカーとして用いられる。Duchenne型筋ジストロフィー:総CK(主にCK-MM)が数千~数万U/Lと極めて高値を示す。多発性筋炎/皮膚筋炎:総CK(主にCK-MM)が上昇する。