HEp-2細胞を核材に用いた抗核抗体の蛍光抗体法による染色写真(別冊No. 12)を別に示す。最も考えられる疾患はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
蛍光抗体法による抗核抗体検査で核小体型(nucleolar pattern)が観察された場合、これは主に抗RNAポリメラーゼI/III抗体や抗U3-RNP抗体などが関連し、全身性強皮症、特にCREST症候群で特異的に認められるパターンである。核小体型は強皮症群の疾患に特徴的な所見として知られている。
選択肢ごとの解説
- 1. 関節リウマチで抗核抗体が陽性になることもあるが、特異的なパターンとしては網状均一型や斑紋型が見られることが多く、本問の核小体型とは異なる。正しくは:この染色パターンは関節リウマチを直接示唆するものではない。関節リウマチでは抗CCP抗体やリウマトイド因子がより特異的なマーカーとなる。選びやすい理由:抗核抗体が陽性になる膠原病全般との関連性を漠然と考えてしまう可能性がある。混同注意:他の膠原病における抗核抗体陽性パターン
- 2. 正解。核小体型は、強皮症やCREST症候群で特異的に出現する抗核抗体の染色パターンである。特にCREST症候群では、抗セントロメア抗体とともに核小体型がよく見られる。
- 3. Sjögren症候群では、抗SS-A抗体(Ro抗体)や抗SS-B抗体(La抗体)が特徴的であり、核小体型ではなく斑紋型(speckled pattern)を呈することが多い。正しくは:Sjögren症候群で典型的に見られるのは斑紋型である。核小体型とは異なる。選びやすい理由:抗核抗体が陽性となる膠原病の一つであるため、混同しやすい。混同注意:他の膠原病における抗核抗体陽性パターン(斑紋型など)
- 4. 混合性結合組織病では抗RNP抗体が特徴的であり、抗核抗体パターンとしては斑紋型を示すことが一般的である。核小体型とは異なる。正しくは:混合性結合組織病で典型的に見られるのは斑紋型である。核小体型とは異なる。選びやすい理由:やはり抗核抗体が陽性となる膠原病であるため、選択肢として魅力的。混同注意:他の膠原病における抗核抗体陽性パターン(斑紋型など)
- 5. 全身性エリテマトーデス(SLE)では、抗dsDNA抗体や抗Sm抗体が特徴的であり、抗核抗体パターンとしては網状均一型(homogeneous pattern)や斑紋型(speckled pattern)が多く見られる。核小体型はSLEの主要なパターンではない。正しくは:全身性エリテマトーデスで典型的に見られるのは網状均一型や斑紋型である。核小体型とは異なる。選びやすい理由:抗核抗体陽性を示す代表的な疾患であり、最も有名な膠原病であるため、正解に選びやすい。混同注意:他の膠原病における抗核抗体陽性パターン(網状均一型、斑紋型など)
国試ポイント
抗核抗体の蛍光染色パターンとその代表的な関連疾患、特に核小体型の特異性を問う問題。画像を見た上で、その所見と疾患を結びつけられるかが重要。
混同注意
核小体型と、他の主要なパターン(均一型、斑紋型、セントロメア型など)が混同されやすい。それぞれのパターンがどの疾患群に特異的か、またはよく見られるかを正確に理解する必要がある。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出た場合は、まず画像の染色パターンを正確に識別し、そのパターンがどの抗体に関連し、どの疾患に特異的か(または高頻度で認められるか)を判断する。特に、各パターンの鑑別ポイントと、複数のパターンが関連する疾患群に注意する。
関連知識
抗核抗体検査の原理、HEp-2細胞の使用目的、主要な抗核抗体パターン(均一型、斑紋型、核小体型、セントロメア型、PCNA型など)と、それぞれのパターンに関連する抗体(抗dsDNA抗体、抗Sm抗体、抗RNP抗体、抗Scl-70抗体、抗セントロメア抗体など)、そしてそれらの抗体が陽性となる疾患群。