Ⅰ型アレルギーが関与するのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
Ⅰ型アレルギーは、IgE抗体が関与する即時型過敏症であり、アレルゲンとの接触後、数分から数時間以内に症状が出現するのが特徴です。選択肢1の「花粉症」と選択肢4の「アナフィラキシーショック」は、このⅠ型アレルギーの代表的な病態です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。花粉症は、特定の植物の花粉がアレルゲンとなり、体内で産生されたIgE抗体が肥満細胞や好塩基球上の受容体に結合し、アレルゲンと再結合することでヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、鼻炎や結膜炎などの症状を引き起こす典型的なⅠ型アレルギー反応です。
- 2. 関節リウマチは、自己の関節組織を攻撃する自己抗体(リウマトイド因子など)が関与する自己免疫疾患であり、主にⅢ型およびⅣ型アレルギー反応の機序が関与すると考えられています。正しくは:関節リウマチは、主にⅢ型およびⅣ型アレルギーが関与する自己免疫疾患です。選びやすい理由:免疫系が関与する疾患であるため、アレルギーの一種であると漠然と捉えてしまうと、Ⅰ型アレルギーと誤解しやすいかもしれません。混同注意:Ⅰ型アレルギー(即時型)と、Ⅲ型アレルギー(免疫複合体型)やⅣ型アレルギー(遅延型)との区別、および自己免疫疾患の概念を混同する可能性があります。
- 3. 接触性皮膚炎(かぶれ)は、特定の化学物質などが皮膚に接触することで、感作されたT細胞が活性化され、炎症反応を引き起こす遅延型過敏症、すなわちⅣ型アレルギーに分類されます。正しくは:接触性皮膚炎は、Ⅳ型アレルギー反応によって生じます。選びやすい理由:皮膚に起こるアレルギー反応であるため、種類を問わずアレルギーと認識しがちですが、即時型(Ⅰ型)ではない点で注意が必要です。混同注意:Ⅰ型アレルギー(即時型)とⅣ型アレルギー(遅延型)の違い、特に反応が起こるまでの時間経過を混同する可能性があります。
- 4. 正解。アナフィラキシーショックは、食物、薬物、昆虫毒などのアレルゲンに対して、全身性に急速かつ重篤なⅠ型アレルギー反応が引き起こされる状態です。IgE抗体が関与し、ヒスタミンなどの大量放出により、血圧低下や意識障害などの全身症状を伴います。
- 5. 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は、自己の血小板に対する自己抗体が産生され、血小板が脾臓などで破壊されることで減少する自己免疫疾患であり、主にⅡ型アレルギー反応の機序が関与します。正しくは:特発性血小板減少性紫斑病は、Ⅱ型アレルギーによる自己免疫疾患です。選びやすい理由:これも免疫系が関与する疾患であるため、アレルギーの一種であることは正しいですが、型を特定できない場合に誤ってⅠ型を選んでしまう可能性があります。混同注意:Ⅰ型アレルギーとⅡ型アレルギー(細胞傷害型)の違い、特に抗体が結合する標的(IgEが肥満細胞に結合 vs. 抗体が細胞表面抗原に結合)を混同する可能性があります。
国試ポイント
アレルギーはGell and Coombsの分類に基づきⅠ型からⅣ型に分けられます。国家試験では、各アレルギー型の基本的なメカニズム、関与する免疫細胞や抗体、そしてそれぞれの型に分類される代表的な疾患を正確に理解しているかが問われます。特に、Ⅰ型アレルギーの即時性とIgE抗体の関与は頻出です。
混同注意
Ⅰ型アレルギーは「即時型」であり、IgE抗体が関与します。Ⅱ型は「細胞傷害型」でIgG/IgM抗体が細胞表面抗原を認識し破壊します。Ⅲ型は「免疫複合体型」でIgG/IgM抗体と可溶性抗原が免疫複合体を形成し組織沈着します。Ⅳ型は「遅延型」でT細胞が関与し、反応発現までに時間がかかります。これら各型の特徴と代表疾患を混同しないよう注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
この問題で誤答した場合、Gell and Coombsのアレルギー分類の基礎知識が不足している可能性があります。次回は、各アレルギー型の名称、関与する免疫学的因子(抗体、細胞など)、発症メカニズム、そして代表的な疾患のリストを正確に結びつけて覚えているかを確認してください。特に、各型のキーワード(例:Ⅰ型=IgE, 即時型; Ⅳ型=T細胞, 遅延型)を意識して学習すると良いでしょう。
関連知識
Gell and Coombsのアレルギー分類: ・Ⅰ型(即時型):IgE抗体、肥満細胞、好塩基球。代表疾患:花粉症、気管支喘息、蕁麻疹、アナフィラキシーショック。 ・Ⅱ型(細胞傷害型):IgGまたはIgM抗体、細胞表面抗原、補体。代表疾患:自己免疫性溶血性貧血、Goodpasture症候群、重症筋無力症、特発性血小板減少性紫斑病。 ・Ⅲ型(免疫複合体型):IgGまたはIgM抗体、可溶性抗原、免疫複合体。代表疾患:全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、血清病、IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)。 ・Ⅳ型(遅延型):T細胞(特に感作T細胞)。代表疾患:接触性皮膚炎、ツベルクリン反応、移植片拒絶反応、橋本病、関節リウマチ(一部)。