ハートインフュージョンブイヨンで培養した菌の染色標本(別冊No. 13)を別に示す。染色法はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
下図の染色標本には、細菌の細胞体から細い毛のような構造が伸びているのが観察できます。これは細菌の運動器官である鞭毛です。提示された選択肢の中で、鞭毛を染めるための染色法はLeifson法です。
選択肢ごとの解説
- 1. Giménez染色はリケッチアやクラミジアなどの偏性細胞内寄生菌の染色に用いられますが、下図の所見とは異なります。正しくは:Giménez染色はリケッチアやクラミジアを赤色に染める方法です。選びやすい理由:特殊染色法の一つであるため、知識が曖昧な場合に選択しやすいかもしれません。混同注意:他の特殊染色法と混同しやすいです。
- 2. Hiss法は莢膜染色の一種ですが、現在ではWirtz法やBurri-Gin's法が主流であり、下図のような鞭毛の染色はできません。正しくは:Hiss法は莢膜染色に用いられる方法です。選びやすい理由:Hiss法も特殊染色法であり、名称の響きから正解だと誤解する可能性があります。混同注意:莢膜染色法や鞭毛染色法など、他の特殊染色法と混同しやすいです。
- 3. 正解。下図に示されているのは、細菌の細胞体から伸びる細い糸状の構造(鞭毛)が染色されている像です。Leifson法は鞭毛染色法の一つであり、鞭毛を効率よく染め出すことができるため、この画像所見と一致します。選びやすい理由:この問題は、画像を見てそれが何を示しているか、そしてその観察に適した染色法は何かを問うものです。鞭毛染色法の中でも、代表的なLeifson法が正解となります。混同注意:他の鞭毛染色法(例えばKayser染色など)と混同する可能性はありますが、国家試験ではLeifson法がよく出題されます。
- 4. Neisser法は、コリネバクテリウム属などの菌が持つ異染小体(volutin顆粒)を染めるために用いられます。下図の所見は異染小体ではなく、鞭毛です。正しくは:Neisser法は異染小体を黒色に染める染色法です。選びやすい理由:特殊染色法の一つであり、細菌の特定の構造を染める方法として名前が挙がりやすいため、選択肢として魅力的かもしれません。混同注意:異染小体染色と鞭毛染色を混同しやすいです。
- 5. Wirtz法(Wirtz-Conklin法)は芽胞染色法の一つであり、下図のような鞭毛の染色ではありません。正しくは:Wirtz法は細菌の芽胞を緑色に染める染色法です。選びやすい理由:細菌の特殊染色法として一般的な名前であるため、間違って選ぶ可能性があります。混同注意:芽胞染色法と鞭毛染色法を混同しやすいです。
国試ポイント
細菌の特殊染色法とその対象となる構造を正確に理解しているかを問う問題です。特に、鞭毛、莢膜、芽胞、異染小体など、細菌の特定構造の染色法は頻出です。
混同注意
細菌の様々な特殊染色法(Leifson法:鞭毛、Hiss法/Wirtz法:莢膜、Wirtz法:芽胞、Neisser法:異染小体、Giménez染色:偏性細胞内寄生菌など)が混同しやすいポイントです。それぞれの染色法がどの細菌構造を染めるのかを明確に区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず画像にどのような細菌構造が描かれているかを識別し、次にその構造を染め出すための適切な染色法は何かを判断します。
関連知識
鞭毛は細菌の運動に関与する構造であり、Leifson法ではタンニン酸などの媒染剤と塩基性色素(例えばクリスタルバイオレット)を用いて、鞭毛を太く強調して染め出します。鞭毛の有無、数、付着様式(単毛性、叢毛性、周毛性など)は細菌の同定に利用されます。ハートインフュージョンブイヨンは多くの細菌が増殖しやすい液体培地であり、特に運動性の細菌の培養にも適しています。