芽胞を有するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
芽胞を形成する細菌は、主にBacillus属(好気性)とClostridium属(嫌気性)に限定されます。Clostridioides difficileはClostridium属に分類されるグラム陽性嫌気性桿菌であり、耐久性の高い芽胞を形成することで、消毒薬や乾燥に強く、院内感染の主要な原因となります。他の選択肢の細菌はすべてグラム陰性菌であり、芽胞を形成する能力はありません。
選択肢ごとの解説
- 1. Acinetobacter baumanniiは、グラム陰性桿菌であり、芽胞を形成しません。主に病院内で感染症を引き起こす多剤耐性菌として知られています。正しくは:この菌は芽胞を形成しません。選びやすい理由:グラム陰性菌の中には耐性を持つものが多いが、それが芽胞形成能に直結するわけではないため混同しやすいかもしれません。混同注意:Bacillus属やClostridium属などの芽胞形成菌と混同される可能性があります。
- 2. 正解。Clostridioides difficileは、グラム陽性の嫌気性桿菌であり、環境中で生存するための耐久性の高い芽胞を形成します。これが院内感染の主要な原因となる一因です。
- 3. Escherichia coliは、グラム陰性桿菌であり、芽胞を形成しません。ヒトの腸管に常在する菌ですが、病原性株は様々な感染症を引き起こします。正しくは:この菌は芽胞を形成しません。選びやすい理由:非常に一般的な細菌であるため、知識が豊富だと感じやすいかもしれませんが、芽胞形成は特定の菌種に限られます。混同注意:一般的な細菌であるため、特定の耐性機序(薬剤耐性など)と混同し、芽胞形成能力があると誤解するかもしれません。
- 4. Haemophilus influenzaeは、グラム陰性桿菌であり、芽胞を形成しません。上気道に常在し、呼吸器感染症や髄膜炎の原因となります。正しくは:この菌は芽胞を形成しません。選びやすい理由:小児の感染症の主要な原因菌の一つであり、重要な細菌ですが、芽胞形成とは関係がありません。混同注意:Hibワクチンなどで知識があるかもしれませんが、芽胞形成とは直接関係がないため、誤って結びつける可能性があります。
- 5. Klebsiella pneumoniaeは、グラム陰性桿菌であり、芽胞を形成しません。肺炎などの様々な感染症を引き起こす多剤耐性菌としても知られています。正しくは:この菌は芽胞を形成しません。選びやすい理由:多剤耐性菌として有名であり、その強力な耐性を芽胞形成と混同しやすいかもしれません。混同注意:ESBL産生菌やカルバペネム耐性菌としての耐性と、芽胞形成という物理的な耐久性を混同する可能性があります。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、病原細菌の基本的な性状、特に芽胞形成の有無とその臨床的意義(感染経路、消毒への耐性など)が頻繁に問われます。主要な芽胞形成菌であるBacillus属とClostridium属の知識が必須です。また、グラム染色性との関連性も重要です。
混同注意
グラム陽性菌すべてが芽胞を形成するわけではないこと、グラム陰性菌は芽胞を形成しないこと。また、薬剤耐性菌の耐性と芽胞の物理的耐久性を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、グラム染色性と芽胞形成能の関係、主要な芽胞形成菌の属名と代表的な種、それらが引き起こす疾患、芽胞への対応(滅菌など)について確認する。
関連知識
芽胞形成菌の代表例(Bacillus anthracis, Bacillus cereus, Clostridium tetani, Clostridium botulinum, Clostridium perfringens, Clostridioides difficile)。芽胞の構造と機能。芽胞形成の生理学的条件。消毒薬への耐性と滅菌の必要性。芽胞が関与する疾患(破傷風、ボツリヌス症、ガス壊疽、偽膜性大腸炎など)。