末梢血のフローサイトメトリのドットプロット図(別冊No. 13)を別に示す。矢印で示すのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
フローサイトメトリーのドットプロットにおいて、X軸(通常FSC: 前方散乱光)は細胞のサイズ、Y軸(通常SSC: 側方散乱光)は細胞の内部構造の複雑さ(顆粒の有無など)を示します。顆粒球はリンパ球や単球と比較して細胞質内に豊富な顆粒を持つため、側方散乱光が最も高くなります。また、サイズもリンパ球より大きいため、前方散乱光も高めに位置します。したがって、下図の矢印が示す、高SSCと比較的高いFSCを示す集団は顆粒球です。
選択肢ごとの解説
- 1. ドットプロット図において、単球は通常、リンパ球と顆粒球の中間の散乱光強度と側方散乱光強度を示します。この図の矢印が示す領域とは異なる位置にプロットされます。正しくは:単球は、側方散乱光(SSC)と前方散乱光(FSC)の双方で中程度の位置に分布する。選びやすい理由:細胞集団の位置関係を混同すると誤って選択する可能性がある。混同注意:リンパ球や顆粒球との位置関係を正確に覚えていないと間違えやすい。
- 2. 正解。フローサイトメトリーのドットプロット図において、顆粒球は細胞質が豊富で内部構造が複雑なため、側方散乱光(SSC)が強く、前方散乱光(FSC)も比較的高い位置にプロットされます。示された図の矢印は、まさにこの特徴を持つ細胞集団を指しています。正しくは:顆粒球は高いSSCと比較的高いFSCを示す。選びやすい理由:他の細胞集団との位置関係で迷う可能性がある。混同注意:リンパ球や単球のプロット位置と混同しやすい。
- 3. 血小板は非常に小さく、フローサイトメトリーのドットプロット図では通常、前方散乱光(FSC)も側方散乱光(SSC)も最も低い位置(原点に近い部分)にプロットされます。矢印が示す領域とは明らかに異なります。正しくは:血小板は最も低いFSCとSSCを示す。選びやすい理由:細胞のサイズや内部構造に関する知識が曖昧だと誤解を招く。混同注意:細胞ではない断片と誤認することがある。
- 4. リンパ球は細胞質が少なく、内部構造が比較的単純なため、前方散乱光(FSC)は低いが、側方散乱光(SSC)も低い位置にプロットされます。これは矢印が示す、より高いSSCを示す集団とは異なります。正しくは:リンパ球は低いFSCと低いSSCを示す。選びやすい理由:リンパ球は主要な細胞集団の一つであるため、無意識に選択してしまうことがある。混同注意:顆粒球との区別で、どちらが高いSSCを示すか混乱することがある。
- 5. 壊れた細胞の破片やデブリは、非常に小さく不均一なため、ドットプロット図では通常、FSCとSSCが共に非常に低い位置、かつ分散したパターンでプロットされます。矢印が示す集団は、均一で特定の領域を占める生細胞集団である可能性が高いです。正しくは:壊れた細胞の破片は非常に低いFSCとSSCを示し、かつ広範囲に分布する。選びやすい理由:測定サンプル中に異物がある可能性を考慮してしまいがち。混同注意:細胞の大きさや内部構造が不明確な場合の解釈に迷う。
国試ポイント
フローサイトメトリーのドットプロット図における各末梢血細胞集団(リンパ球、単球、顆粒球、血小板、赤血球など)の基本的なプロット位置と、前方散乱光(FSC)および側方散乱光(SSC)がそれぞれ何を示すかを理解しているかが問われる。
混同注意
リンパ球、単球、顆粒球のプロット位置は非常に似ているため、それぞれのFSCとSSCの相対的な高低を正確に覚えていないと混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
この問題では末梢血の主要な細胞集団の識別を問われているが、より応用的な問題では、特定の疾患(例:白血病)における異常細胞のプロット位置や、蛍光標識抗体を用いたサブタイプ分類が問われる可能性がある。
関連知識
フローサイトメトリーの原理(レーザー光による細胞の散乱光測定)、CDマーカーを用いた細胞表面抗原の同定、ゲーティングによる特定の細胞集団の解析。