ABO血液型のオモテ検査で部分凝集を呈する原因はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
ABO血液型検査のオモテ検査で部分凝集が見られる主な原因としては、亜型(AまたはB抗原の発現量が少ない場合)や、ABO異型輸血後に輸血された赤血球と患者自身の赤血球が混在するキメラ状態が挙げられます。連銭形成は偽凝集であり、寒冷凝集素は主にウラ検査やクロスマッチに影響します。ABO不適合腎移植は腎臓の移植であり、レシピエントの赤血球の血液型判定に直接部分凝集を引き起こすものではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ABO式血液型の亜型、特にA亜型やB亜型の場合、抗原量が少ないため抗A血清や抗B血清との反応が弱くなり、部分凝集として観察されることがあります。
- 2. 連銭形成は赤血球がコインを積み重ねたように連結する現象であり、凝集反応とは異なる機序で起こります。血漿中の高グロブリン血症などが原因で、通常は凝集反応とは区別されます。正しくは:連銭形成は偽凝集の一種であり、凝集反応とは異なる現象です。食塩水希釈などで区別します。選びやすい理由:見た目が凝集と似ているため、混乱しやすいですが、メカニズムが異なります。混同注意:真の凝集反応
- 3. 正解。ABO異型輸血後に患者の体内に輸血された血液型と元々の血液型が混在している状態(キメラ状態)になると、一部の赤血球のみが凝集するため部分凝集として検出されることがあります。選びやすい理由:輸血という大きなイベントなので、検査結果に影響が出ることは想像しやすいです。
- 4. 寒冷凝集素は主に室温以下で自己赤血球を凝集させる抗体であり、ABO式血液型検査のオモテ検査では自己血球と試薬抗体との反応を見るため、寒冷凝集素が原因で部分凝集を呈することは一般的ではありません。通常はウラ検査やクロスマッチに影響が出やすいです。正しくは:寒冷凝集素は主にウラ検査やクロスマッチに影響を及ぼし、オモテ検査で部分凝集の主な原因となることは稀です。選びやすい理由:凝集に関わる抗体なので、選択肢として選びやすいです。混同注意:ABO抗体や不規則抗体
- 5. ABO不適合腎移植は、レシピエントの血液型と異なるドナーの腎臓を移植することですが、これは腎臓の移植であり、レシピエントの赤血球の血液型そのものには直接影響しません。そのため、レシピエントのオモテ検査で部分凝集を呈する直接的な原因とはなりません。むしろ、レシピエントに抗A抗体や抗B抗体が存在することに対する対策が必要になります。正しくは:ABO不適合腎移植は、腎臓移植の適応や術後の免疫抑制に関わる問題であり、レシピエントの赤血球のABO式血液型オモテ検査で部分凝集を引き起こす直接的な原因ではありません。選びやすい理由:「ABO不適合」という言葉や「移植」という要素から、血液型検査に影響が出そうだと誤解しやすいです。混同注意:ABO異型輸血後のキメラ状態
国試ポイント
ABO式血液型検査のオモテ検査における非典型的な反応(部分凝集)の原因について、それぞれの選択肢がなぜ該当するのか/しないのかを正確に理解しているかを問う問題です。特に、偽凝集との区別や、輸血・移植が血液型判定に与える影響の理解が重要です。
混同注意
真の凝集と偽凝集(連銭形成など)、血液型抗原の異常(亜型)と抗体の異常(寒冷凝集素)、赤血球の混合(異型輸血後)と臓器移植(ABO不適合腎移植後)の影響。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、まず『オモテ検査かウラ検査か』『原因は抗原側か抗体側か』『生理的な反応か病的・治療後の状態か』を区別して判断できるよう学習する必要があります。
関連知識
ABO血液型判定の原理(オモテ検査、ウラ検査)、亜型の特徴、偽凝集(連銭形成、ルーロー形成)、キメラ状態、寒冷凝集素病、輸血副作用、移植免疫。