脳波検査において周期性同期性高振幅徐波結合を認めるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) は、麻疹ウイルス感染の遅発性合併症であり、脳波上ではKleine-Levin症候群とは異なる周期性同期性高振幅徐波結合 (PSD: Periodic Synchronous Discharge) を特徴的に認めます。これは皮質下灰白質病変と関連し、病期の進行とともにその出現頻度やパターンが変化することがあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) では、特徴的な脳波所見として周期性同期性高振幅徐波結合 (PSD) が認められます。これは麻疹ウイルス持続感染により脳全体に進行性の炎症が生じるためです。選びやすい理由:この選択肢は正解であり、問題文の所見に最も合致するため、医学知識があれば適切に選択できます。混同注意:クロイツフェルト・ヤコブ病の周期性同期性放電は鑑別が必要ですが、波形の特徴や臨床症状で区別します。
- 2. 肝性脳症では、脳波上、高振幅三相波が特徴的に認められます。周期性同期性高振幅徐波結合とは異なる所見です。正しくは:肝性脳症では高振幅三相波が特徴的である。選びやすい理由:脳波異常を伴う病態として一般的なため、知識があいまいな場合に選びやすいかもしれません。混同注意:三相波と周期性同期性高振幅徐波結合の区別。
- 3. 欠神発作は、てんかんの一種であり、脳波上は特徴的な3Hz棘徐波複合が認められます。周期性同期性高振幅徐波結合とは全く異なる所見です。正しくは:欠神発作では3Hz棘徐波複合が特徴的である。選びやすい理由:てんかんは脳波検査と関連が深いため、脳波の異常所見を伴う疾患として連想されやすいです。混同注意:てんかんにおける様々な発作型とそれぞれの脳波所見。
- 4. 脳動脈硬化症は、脳の血管に動脈硬化が進行する疾患ですが、特定の周期性同期性高振幅徐波結合を伴う脳波所見は一般的ではありません。虚血による局所的な徐波化などは見られることがありますが、本問題の所見とは異なります。正しくは:脳動脈硬化症に特異的な周期性同期性高振幅徐波結合は見られない。選びやすい理由:高齢者に多く、脳の機能に影響を与える疾患であるため、脳波異常を伴うと誤解されやすいかもしれません。混同注意:脳虚血による一般的な徐波化と、特異的な周期性放電の区別。
- 5. もやもや病は、脳血管の進行性狭窄・閉塞により異常血管網(もやもや血管)が出現する疾患です。脳波上は過呼吸負荷でrebuilding現象(徐波の出現とその後の回復)が見られることが特徴ですが、周期性同期性高振幅徐波結合とは異なります。正しくは:もやもや病では過呼吸負荷でrebuilding現象が見られることがあるが、周期性同期性高振幅徐波結合は認められない。選びやすい理由:小児期に発症することがあり、脳波検査が行われる疾患であるため、関連づけられやすいかもしれません。混同注意:rebuilding現象と周期性同期性高振幅徐波結合の区別。
国試ポイント
脳波所見と疾患の典型的な組み合わせを覚えること。特に周期性同期性高振幅徐波結合 (PSD) が亜急性硬化性全脳炎に特異的な所見であることを理解する。
混同注意
周期性同期性高振幅徐波結合 (PSD) は、クロイツフェルト・ヤコブ病 (CJD) でもみられることがありますが、CJDのPSDはより鋭く、三相波形を示すことが多いです。SSPEのPSDはより高振幅で広範な徐波結合として出現します。また、肝性脳症で見られる三相波はPSDとは異なる特徴を持ちます。
次に同じ論点が出たら
「周期性同期性高振幅徐波結合」というキーワードが出た場合、まず亜急性硬化性全脳炎を第一に考える。鑑別としてクロイツフェルト・ヤコブ病も視野に入れるが、波形の特徴や臨床経過(小児期〜青年期の麻疹既往)で区別する。
関連知識
脳波検査では、てんかんの診断だけでなく、脳炎、脳症、変性疾患など、さまざまな神経疾患の補助診断に用いられます。代表的な異常波形として、てんかんの棘波・鋭波、三相波、基礎律動の徐波化などがあります。また、欠神発作では3Hz棘徐波複合が特徴的です。