大動脈弁狭窄の超音波検査で弁口部の最高流速が4 m/sのとき、狭窄前後の圧較差[mmHg]に最も近いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
大動脈弁狭窄症の圧較差の推定には、修正ベルヌーイの式 ΔP = 4V^2 が用いられます。ΔPは圧較差(mmHg)、Vは狭窄部での最大血流速度(m/s)です。問題文より最大血流速度Vが4m/sなので、この式に代入すると ΔP = 4 × (4)^2 = 4 × 16 = 64mmHg となります。したがって、64mmHgが最も近い値です。
選択肢ごとの解説
- 1. これは正解ではありません。ベルヌーイの式 v=4m/s を用いて計算すると、圧較差は 4 × (4)^2 = 64mmHg となります。4mmHgは過小評価です。正しくは:4mmHgは過小評価であり、ベルヌーイの式による計算結果は64mmHgです。選びやすい理由:数値の『4』にそのまま引きずられて選んでしまう可能性があります。混同注意:血流速度と圧較差の関係式を正しく理解していない場合に選択してしまう可能性があります。
- 2. これは正解ではありません。ベルヌーイの式 v=4m/s を用いて計算すると、圧較差は 4 × (4)^2 = 64mmHg となります。8mmHgは過小評価です。正しくは:8mmHgは過小評価であり、ベルヌーイの式による計算結果は64mmHgです。選びやすい理由:速度の2倍であるため、単純な比例関係と誤解する可能性があります。混同注意:ベルヌーイの式が速度の2乗に比例することを見落とし、単純な線形関係と混同する可能性があります。
- 3. これは正解ではありません。ベルヌーイの式 v=4m/s を用いて計算すると、圧較差は 4 × (4)^2 = 64mmHg となります。16mmHgは過小評価です。正しくは:16mmHgは過小評価であり、ベルヌーイの式による計算結果は64mmHgです。選びやすい理由:速度の二乗(4^2=16)という数字が出てくるため、途中の計算結果と誤解してしまう可能性があります。しかし、これに係数4を乗じる必要があります。混同注意:修正ベルヌーイの式の定数『4』を忘れてしまい、速度の二乗だけで考えてしまうことがあります。
- 4. これは正解ではありません。ベルヌーイの式 v=4m/s を用いて計算すると、圧較差は 4 × (4)^2 = 64mmHg となります。48mmHgは近い値ですが、最も近いのは64mmHgです。正しくは:48mmHgは最も近い値ではありません。計算結果は64mmHgです。選びやすい理由:64mmHgに近い値であり、計算ミスや概算の誤差として選択してしまう可能性があります。混同注意:係数4を間違えるか、速度の二乗の計算を間違えるか、あるいは四捨五入の判断を誤る場合に選んでしまう可能性があります。
- 5. 正解。大動脈弁狭窄症における圧較差は、修正ベルヌーイの式 ΔP = 4V^2 を用いて推定されます。ここでΔPは圧較差(mmHg)、Vは最大血流速度(m/s)です。問題文のV=4m/sを代入すると、ΔP = 4 × (4)^2 = 4 × 16 = 64mmHgとなります。したがって、64mmHgが最も近い値です。
国試ポイント
超音波検査による血流速度測定から圧較差を推定する修正ベルヌーイの式の理解と計算能力が問われています。特に、弁膜症の重症度評価で頻繁に用いられる基本的な知識です。
混同注意
修正ベルヌーイの式における定数『4』を忘れたり、速度の二乗の計算を誤ったり、単純な比例関係と誤解したりすることが混同の原因となります。また、他の弁膜症や部位での式の適用も異なる場合があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、まず『弁膜症の圧較差』に関する問題であるかを確認し、次に『修正ベルヌーイの式 ΔP = 4V^2』を正しく適用できるかどうかが鍵となります。特に、速度の単位と係数『4』の適用を忘れないように注意します。
関連知識
修正ベルヌーイの式は、心臓超音波検査において、弁狭窄や逆流の重症度を評価する上で非常に重要な原理です。特に、大動脈弁狭窄症だけでなく、僧帽弁狭窄症や肺動脈狭窄症など、他の弁膜症においても同様の原理が応用されます。また、連続の式(流路面積と速度の関係)や圧半減期(僧帽弁狭窄症の重症度評価)なども関連知識として重要です。