染色法と病原体の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
過ヨウ素酸シッフ(PAS)反応は、組織中のグリコーゲンや多糖類、糖タンパク質などを赤紫色に染める反応です。真菌の細胞壁には多糖類が豊富に含まれるため、アスペルギルスを含む多くの真菌の検出に有効な染色法とされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。アスペルギルスなどの真菌は、細胞壁に多糖類を持つため、過ヨウ素酸シッフ(PAS)反応によって赤紫色に染まります。これは真菌検出の一般的な方法です。
- 2. DOPA反応はメラニン色素の生成に関わる酵素(チロシナーゼ)を検出するものであり、B型肝炎ウイルス(HBs抗原)の検出には用いられません。正しくは:B型肝炎ウイルス(HBs抗原)の検出には、主に免疫組織化学染色やELISAなどの免疫学的方法が用いられます。DOPA反応は、例えば悪性黒色腫細胞の検出に用いられることがあります。選びやすい理由:DOPAという言葉が、生体内の生化学反応を想起させるため、何らかの病原体の検出に関係すると誤解するかもしれません。混同注意:特殊な色素反応と、一般的な抗原抗体反応を混同している可能性があります。
- 3. Kossa反応は組織中のカルシウム塩(リン酸カルシウムなど)を検出するための染色法であり、抗酸菌の検出には使用されません。正しくは:抗酸菌の検出には、チール・ネールセン染色やKinyoun染色などの抗酸菌染色法が用いられます。選びやすい理由:「菌」という言葉から、何らかの特殊染色と関連があるように感じるかもしれませんが、Kossa反応は微生物検出に直接関係しません。混同注意:カルシウムの検出法と、微生物(特に抗酸菌)の特殊染色法を混同している可能性があります。
- 4. Berlinblue染色(ベルリン青染色)は、組織中のヘモジデリンなどの鉄沈着を検出するための染色法であり、クリプトコッカス属真菌の染色には用いられません。正しくは:クリプトコッカス属真菌の莢膜は墨汁染色で描出されるほか、細胞体はPAS染色やGrocott染色で染められます。選びやすい理由:特殊な名称の染色法と、よく知られた真菌の組み合わせであるため、正しいと勘違いする可能性があります。混同注意:鉄の検出法と、微生物の特殊染色法を混同している可能性があります。
- 5. Mucicarmine染色(ムチカルミン染色)は、酸性ムコ多糖であるムチンを検出する染色法であり、主にクリプトコッカス属真菌の莢膜染色などに用いられます。ヘリコバクター・ピロリの検出には適していません。正しくは:ヘリコバクター・ピロリの検出には、主にギムザ染色、グラム染色、または免疫組織化学染色が用いられます。選びやすい理由:Mucicarmineが粘液に関連する染色であるため、胃粘膜に生息するヘリコバクター・ピロリと関連付けて正しいと誤解するかもしれません。混同注意:粘液染色と、細菌の検出染色法を混同している可能性があります。特にクリプトコッカスの莢膜染色として有名なmucicarmine染色を、異なる細菌に当てはめている点が混同しやすいです。
国試ポイント
病原体の検出に用いられる代表的な特殊染色法と、それがターゲットとする病原体やその構成成分の組み合わせの正誤が問われます。特に、真菌、抗酸菌、鉄、カルシウム、ムチンなどのそれぞれの代表的な染色法と、それに適応される病原体・成分を正確に覚えているかが重要です。ひっかけとして、よく知られた染色法と病原体を誤って組み合わせるパターンが多く見られます。
混同注意
微生物染色(グラム染色、抗酸菌染色、墨汁染色など)と、組織中の特定の成分を検出する特殊染色(PAS、Kossa、Berlin blue、Mucicarmineなど)の目的と対象が混同されやすいです。特に、真菌の染色法は複数あり、それぞれ何を染め出しているかを理解する必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出題された場合、他の代表的な真菌染色(Grocott染色、墨汁染色)や、細菌の特殊染色(抗酸菌染色、グラム染色)、あるいは細胞や組織成分の特殊染色(アミロイド染色、脂肪染色など)と、それによって検出される病原体・成分の組み合わせに注意して確認しましょう。
関連知識
PAS反応:真菌(アスペルギルス、カンジダ、クリプトコッカスなど)、グリコーゲン、ムチン、基底膜。Grocott染色:真菌(PASより感度が高い)。墨汁染色:クリプトコッカス莢膜。DOPA反応:メラニン色素(チロシナーゼ)。Kossa反応:カルシウム塩。Berlinblue染色:鉄(ヘモジデリン)。Mucicarmine染色:ムチン、クリプトコッカス莢膜。Ziehl-Neelsen染色/Kinyoun染色:抗酸菌。Giemsa染色:ヘリコバクター・ピロリ、マラリア原虫、スピロヘータなど。グラム染色:細菌の分類。