エンベロープを持つのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
エンベロープを持つウイルスは、一般的に脂質二重層からなる被膜を持っており、エタノールなどの有機溶媒や界面活性剤に弱いという特徴があります。インフルエンザウイルスはエンベロープを持つ代表的なウイルスであり、そのエンベロープはウイルスの感染性や免疫応答において重要な役割を果たします。一方、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、ポリオウイルスはいずれもエンベロープを持たないノンエンベロープウイルスであり、比較的環境耐性が高く、消毒剤への感受性が低い傾向があります。
選択肢ごとの解説
- 1. ノロウイルスはエンベロープを持たないノンエンベロープウイルスです。その強固なカプシド構造により、環境中で比較的安定しており、消毒剤への耐性も高いとされています。正しくは:ノロウイルスはエンベロープを持たない。選びやすい理由:一般的なウイルス感染症を引き起こすため、エンベロープの有無と混同しやすいが、消化器系ウイルスにノンエンベロープが多いことを知っていれば選択しない。混同注意:他の消化器系ウイルス(ロタウイルスなど)とのエンベロープ有無の区別。
- 2. ロタウイルスもノロウイルスと同様に、エンベロープを持たないノンエンベロープウイルスです。二重のカプシド構造を持つ特徴があります。正しくは:ロタウイルスはエンベロープを持たない。選びやすい理由:小児の急性胃腸炎の主要な原因ウイルスであり、知名度が高いが、エンベロープの有無とは直接関係ない。混同注意:エンベロープを持つウイルスとの混同や、他のノンエンベロープウイルスとの区別。
- 3. アデノウイルスは、エンベロープを持たないノンエンベロープウイルスです。正二十面体のカプシドを持つDNAウイルスとして知られています。正しくは:アデノウイルスはエンベロープを持たない。選びやすい理由:呼吸器感染症や結膜炎など、多様な疾患を引き起こす一般的なウイルスであり、エンベロープの有無を忘れがちである。混同注意:エンベロープを持つ呼吸器系ウイルス(例: インフルエンザウイルス)との混同。
- 4. ポリオウイルスは、エンベロープを持たないノンエンベロープウイルスです。ピコルナウイルス科に属し、RNAウイルスです。正しくは:ポリオウイルスはエンベロープを持たない。選びやすい理由:歴史的に重要なウイルスであるため名前は知られているが、エンベロープの有無については意識しにくい。混同注意:同じRNAウイルスでも、エンベロープを持つウイルス(例: インフルエンザウイルス)との混同。
- 5. 正解。インフルエンザウイルスはエンベロープを持つRNAウイルスです。このエンベロープにはヘマグルチニン(HA)やノイラミニダーゼ(NA)などのスパイク状糖タンパク質が存在し、宿主細胞への吸着や侵入に関与します。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、主要なウイルスのエンベロープの有無が頻繁に問われます。これは、ウイルスの消毒・不活化方法や感染経路、さらにはワクチン開発の基本となる知識であるためです。特に、感染症対策の観点からエンベロープの有無と消毒薬への感受性の関連性を理解しているかが試されます。
混同注意
エンベロープを持つウイルスと持たないウイルスの区別。特に、消化器系ウイルスにはノンエンベロープウイルスが多く、呼吸器系ウイルスにはエンベロープウイルスとノンエンベロープウイルスが混在するため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出題された場合、選択肢のウイルスがエンベロープを持つか持たないかの基本情報を確認し、その情報を基に消毒薬への感受性や感染経路といった関連知識を思い出して判断します。
関連知識
エンベロープの有無は、ウイルスの環境安定性、消毒薬への感受性(エンベロープを持つウイルスは消毒薬に弱い)、宿主細胞への侵入メカニズム(エンベロープは細胞膜融合に寄与)、ワクチンの種類(不活化ワクチンや生ワクチン)などに影響します。エンベロープを持つRNAウイルスにはインフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、HIVなどが、DNAウイルスにはヘルペスウイルス、B型肝炎ウイルスなどがあります。ノンエンベロープのRNAウイルスにはポリオウイルス、ノロウイルス、ロタウイルスなどが、DNAウイルスにはアデノウイルス、パルボウイルスなどがあります。