121℃、20分間の加熱処理で感染性が失われないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
プリオンはタンパク質性の感染性因子であり、通常の細菌、真菌、ウイルス、芽胞、マイコプラズマと比較して、非常に高い耐熱性、耐薬品性、耐放射線性を持ちます。121℃、20分間の高圧蒸気滅菌では完全に不活化されません。プリオンを不活化するためには、より高温・長時間の高圧蒸気滅菌(例: 134℃、18分以上)や、強アルカリ処理などの特殊な方法が必要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 真菌(カビや酵母など)は、一般的に121℃、20分間の高圧蒸気滅菌で十分に不活化されます。正しくは:真菌は熱に比較的弱く、この条件で不活化されます。選びやすい理由:一般的な病原体であり、知識が曖昧だと選びがちですが、耐熱性は高くありません。混同注意:細菌やウイルスと混同し、滅菌条件への耐性が高いと誤解することがあります。
- 2. 芽胞菌(枯草菌やクロストリジウム属など)の芽胞は、細菌の栄養型よりもはるかに熱に強いですが、121℃、20分間の高圧蒸気滅菌は芽胞を不活化するために設計された標準的な条件です。正しくは:芽胞菌の芽胞は、標準的な高圧蒸気滅菌(121℃、15~20分)によって不活化されます。選びやすい理由:細菌の中でも特に耐熱性が高いため、引っかかりやすい選択肢です。しかし、高圧蒸気滅菌はこの芽胞をターゲットとしています。混同注意:芽胞の耐熱性とプリオンの耐熱性を混同しやすいです。芽胞は高圧蒸気滅菌で不活化されますが、プリオンはより過酷な条件が必要です。
- 3. 多くのウイルスは熱に弱く、121℃、20分間の高圧蒸気滅菌で容易に不活化されます。一部のエンベロープを持たないウイルスは比較的耐熱性がありますが、この条件であればほとんど不活化されます。正しくは:ウイルスは熱に弱く、この条件で不活化されます。選びやすい理由:感染症の主要な原因であるため、選択肢として目立ちますが、熱耐性は一般に高くありません。混同注意:プリオンや芽胞菌の耐熱性と混同し、ウイルスも熱に強いと誤解することがあります。
- 4. 正解。プリオンは異常な構造を持つタンパク質であり、DNAやRNAを持たないため、一般的な滅菌・消毒法に極めて強い抵抗性を示します。121℃、20分間の高圧蒸気滅菌では感染性を完全に失わせることはできません。不活化には、より高温(例:134℃)、長時間(例:18分以上)の高圧蒸気滅菌や、特定の化学薬品処理が必要です。選びやすい理由:他の微生物と異なり、タンパク質性の病原体であるため、滅菌条件に対する特別な耐性があることを知らないと選べません。混同注意:最も耐熱性が高い芽胞と混同しやすいですが、プリオンは芽胞よりもはるかに耐熱性があります。
- 5. マイコプラズマは細胞壁を持たない細菌ですが、一般的な細菌と同様に、121℃、20分間の高圧蒸気滅菌で不活化されます。正しくは:マイコプラズマは熱に弱く、この条件で不活化されます。選びやすい理由:特殊な細菌であるため、耐熱性も特別だと考えるかもしれませんが、そうではありません。混同注意:他の一般的な細菌やウイルスと比較して、滅菌条件への耐性が高いと誤解することがあります。
国試ポイント
高圧蒸気滅菌の標準的な条件(121℃、20分)で不活化できない病原体として、プリオンの特異な性質を理解しているか問う問題です。特に芽胞菌との耐熱性の違いが重要です。
混同注意
芽胞菌(の芽胞)は熱に強いことで有名ですが、121℃、20分間の高圧蒸気滅菌はこの芽胞を不活化することを目的とした標準条件です。プリオンはこれよりもさらに強い耐性を持ちます。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、滅菌・消毒方法ごとの対象病原体と、特に滅菌困難な病原体の種類(プリオン、一部のウイルスなど)とその具体的な不活化条件を問う問題が考えられます。
関連知識
滅菌法の種類(高圧蒸気滅菌、乾熱滅菌、EOG滅菌など)とそれぞれの対象微生物、および各微生物の耐性(栄養型細菌、芽胞、真菌、ウイルス、プリオン)について理解しておく必要があります。プリオン病(クロイツフェルト・ヤコブ病など)の感染経路や対策も関連知識です。