染色法とその対象となる微生物の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
KOH法は皮膚糸状菌などの真菌を検出する際に、宿主の細胞成分を溶解して菌を見やすくするために用いられます。トリコフィトン・ルブルムは代表的な皮膚糸状菌です。Giménez染色(ギメネス染色)は、グラム染色では染まりにくいレジオネラ菌の検出に特によく用いられる染色法です。
選択肢ごとの解説
- 1. 墨汁法は主にクリプトコックス(Cryptococcus neoformans)の莢膜を染め出すために用いられます。カンジダは出芽酵母ですが、莢膜を持たないため墨汁法は通常用いられません。正しくは:墨汁法とクリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)選びやすい理由:カンジダも真菌であり、酵母様真菌として形態的に似たものもあるため、なんとなく関連があるように感じやすい。混同注意:カンジダとクリプトコックスの鑑別点、特に莢膜の有無とそれに伴う染色法の選択。
- 2. 正解。KOH(水酸化カリウム)法は、皮膚糸状菌症の診断で用いられる簡易的な真菌検査法です。検体をKOH溶液で処理することで、細胞やケラチンといった宿主成分を溶解し、真菌(トリコフィトン・ルブルムを含む)の菌糸や胞子を見やすくします。
- 3. Grocott染色(Grocott's methenamine silver stain)は、主に真菌やニューモシスチス(Pneumocystis jirovecii)などの細胞壁を銀で染色する特殊染色法です。コリネバクテリウム・ジフテリエは細菌であり、主にグラム染色やチール・ネールセン染色(異染小体の検出)が用いられます。正しくは:Grocott染色とニューモシスチス・イロベチイ(Pneumocystis jirovecii)または各種真菌選びやすい理由:Grocott染色が特殊染色であるため、特定の病原体と結びつけて覚えていると、細菌であっても関連付けてしまいやすい。混同注意:真菌と細菌の染色法の区別。Grocott染色が銀染色系であること。
- 4. 正解。Giménez染色(ギメネス染色)は、レジオネラ菌の検出に特によく用いられる染色法です。レジオネラ菌はグラム陰性桿菌ですが、グラム染色では染まりにくいため、Giménez染色やDieterle染色が好まれます。
- 5. Ziehl-Neelsen染色(チール・ネールセン染色)は、抗酸菌、特に結核菌や非結核性抗酸菌を検出するための染色法です。マイコプラズマ・ニューモニエは細胞壁を持たない細菌であり、チール・ネールセン染色では染まりません。マイコプラズマの検出にはPCR法や抗体検査、培養などが用いられます。正しくは:Ziehl-Neelsen染色とマイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)選びやすい理由:両者とも肺感染症の病原体であるため、なんとなく関連があるように感じやすい。また、特定の染色法が特定の細菌群と強く結びつくという知識が曖昧だと誤解しやすい。混同注意:抗酸菌の特性とマイコプラズマの特性(細胞壁の有無)。
国試ポイント
様々な微生物の基本的な検査法(特に染色法)とその対象微生物の組み合わせを正確に覚えているかが問われます。グラム染色以外の特殊染色法や、特定の菌種に特異的な染色法について理解していることが重要です。
混同注意
各染色法の目的や対象微生物が混同されやすいです。特に、真菌、抗酸菌、グラム染色が困難な細菌(レジオネラ、マイコプラズマなど)に対する特殊染色法の知識が問われます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、主要な微生物染色法(グラム染色、抗酸菌染色、真菌染色、レジオネラ染色など)の名称と、それに適応される代表的な病原体について正確に知識があるかを再確認する必要があります。
関連知識
グラム染色、チール・ネールセン染色、墨汁法、KOH法、Grocott染色、Giménez染色、蛍光抗体法など、主要な微生物染色法の原理と適用範囲。