腫瘍マーカーと対象となる腫瘍との組合せで誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
SCC(扁平上皮癌関連抗原)は、扁平上皮由来の癌、特に子宮頸癌、肺の扁平上皮癌、食道癌、頭頸部癌などで高値を示します。一方、大腸癌の多くは腺癌であり、SCCが大腸癌のマーカーとして用いられることは一般的ではありません。したがって、「SCCと大腸癌」の組み合わせは誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. CEA(癌胎児性抗原)は、胃癌、大腸癌、肺癌、乳癌など、消化器系を中心とした腺癌で高値を示すことが知られており、胃癌との組み合わせは適切です。選びやすい理由:CEAは様々な癌で上昇するため、癌の種類を特定できない点が混乱を招く可能性がありますが、胃癌での上昇は事実です。混同注意:特定の癌に特異的ではない点が、かえって誤りだと誤解されるかもしれません。
- 2. 正解。SCC(扁平上皮癌関連抗原)は、主に子宮頸癌、肺の扁平上皮癌、食道癌、頭頸部癌など、扁平上皮癌で高値を示します。大腸癌の多くは腺癌であり、SCCが大腸癌のマーカーとして用いられることは稀で、この組み合わせは適切ではありません。正しくは:SCCは扁平上皮癌(子宮頸癌、肺の扁平上皮癌、食道癌など)選びやすい理由:SCCが癌のマーカーであることは事実なので、深く考えずに正しいと判断してしまう可能性があります。混同注意:他の腫瘍マーカーと対象疾患の組み合わせが正しい中で、この組み合わせが誤りであることを見抜くのが難しいかもしれません。
- 3. CA125は、主に漿液性卵巣癌で高値を示す腫瘍マーカーとして広く利用されており、卵巣癌との組み合わせは適切です。選びやすい理由:CA125は子宮内膜症や良性疾患でも上昇することがあるため、特異性が低いと誤解されることもありますが、卵巣癌の主要マーカーであることは事実です。混同注意:CA125が卵巣癌以外でも上昇するという知識から、この組み合わせを誤りと判断してしまう可能性があります。
- 4. CA19-9は、膵癌の診断補助や治療効果判定、経過観察に最も広く用いられる腫瘍マーカーの一つであり、膵癌との組み合わせは適切です。選びやすい理由:CA19-9は胆道癌や胃癌でも上昇することがあり、特異性が絶対ではないため、これが誤りだと考える誘惑があるかもしれません。混同注意:他の消化器系癌でも上昇するため、膵癌に限定できないと誤解されることがあります。
- 5. PIVKA-Ⅱ(Protein Induced by Vitamin K Absence or antagonist-Ⅱ)は、肝細胞癌で高値を示す腫瘍マーカーとして、特にAFP(α-フェトプロテイン)と併用して用いられ、肝癌との組み合わせは適切です。選びやすい理由:PIVKA-Ⅱは比較的新しいマーカーであり、AFPほどの知名度がないため、正誤の判断に迷うことがあるかもしれません。混同注意:AFPが肝癌の代表的なマーカーであるため、PIVKA-Ⅱとの関連性を知らないと誤答しやすくなります。
国試ポイント
腫瘍マーカーの基本的な種類と、それぞれが対象とする主要な腫瘍を正確に覚えているかどうかが問われる問題です。特に、特異性の高いマーカーと、複数の癌で高値を示すマーカーの区別、また代表的な癌種と対応するマーカーの知識が重要となります。
混同注意
腫瘍マーカーは特異性が100%ではないものが多いため、「このマーカーはこの癌にしか使えない」という極端な理解をしていると誤答につながることがあります。複数の癌で上昇するマーカーと、比較的特定の癌に強く関連するマーカーを区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、まず各マーカーが『どの細胞由来の癌』に関連が深いかを判断し、次に『その癌種で代表的な組織型』を想起する。特に、扁平上皮癌、腺癌、肝細胞癌といった組織型とマーカーの関連性を中心に確認する。
関連知識
CEA: 胃癌、大腸癌、肺癌、乳癌など(腺癌全般)。SCC: 子宮頸癌、肺扁平上皮癌、食道癌、頭頸部癌。CA125: 卵巣癌、子宮体癌、子宮内膜症。CA19-9: 膵癌、胆道癌、胃癌。PIVKA-Ⅱ: 肝細胞癌。