Bethesdaシステムの判定で陰性はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Bethesda分類において「陰性」と判断されるのは、"上皮内病変または悪性を認めない"を意味するNILM (Negative for Intraepithelial Lesion or Malignancy) のみです。他の選択肢は、何らかの異型細胞や病変を示すカテゴリーであり、陰性ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. これは異型細胞の存在を示し、「異常がない」とは言えません。悪性の可能性は低いものの、精密検査や経過観察が必要とされることがあります。正しくは:「陰性」とは判断されず、「異型」と分類されます。選びやすい理由:異常度が低いため、あるいは「意味不明」という言葉から「大した異常ではない」と誤解されることがあります。混同注意:NILM(陰性)や、より重度の病変であるLSIL/HSIL。
- 2. これは高度な前癌病変または上皮内癌を示唆する非常に重要な異常であり、明らかに陰性ではありません。正しくは:高度な細胞異型があり、悪性への進行リスクが高い状態を示すため、「異常あり」と分類されます。選びやすい理由:異常度が明確なため、誤って「異常がない」と考える可能性は低いですが、分類の名称と重症度の関係を正確に理解していない場合に迷うかもしれません。混同注意:LSIL(軽度扁平上皮内病変)や、より軽度なASC-US。
- 3. これは軽度ではあるものの、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染による異型細胞が存在することを示しており、陰性ではありません。正しくは:軽度な細胞異型があり、経過観察や精密検査が必要な「異常あり」と分類されます。選びやすい理由:「軽度」という言葉から「大した異常ではない」と判断し、陰性ではないかと誤解する可能性があります。混同注意:ASC-US(意義不明な異型扁平上皮細胞)やNILM(陰性)。
- 4. 正解。Bethesda分類において、この用語は細胞診検査で上皮内病変も悪性病変も認められない、つまり「異常がない」状態を指します。
- 5. これは明らかに悪性疾患である扁平上皮癌そのものを指し、最も重度の病変であり陰性とは全く異なります。正しくは:明らかな悪性所見であり、「悪性」と分類されます。選びやすい理由:これは非常に明白な悪性所見であるため、「陰性」と誤認する可能性は極めて低いですが、ベセスダ分類の全てのカテゴリーを正確に知らない場合に、他の選択肢との比較で迷うかもしれません。混同注意:CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)やHSILのような前癌病変。
国試ポイント
この問題は、Bethesda分類における細胞診結果の主要なカテゴリー、特に「陰性」と「異常あり」の基本的な区別を正確に理解しているかを問うものです。各略語が指す意味とその医学的重症度を把握していることが重要です。
混同注意
ASC-US (意義不明な異型扁平上皮細胞) は、軽度の異常であるため、NILM(陰性)と混同されやすいですが、ASC-USは「異常あり」のカテゴリーに入ります。また、LSIL(軽度扁平上皮内病変)とHSIL(高度扁平上皮内病変)の区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出題された場合、Bethesda分類の各略語の正式名称と、それが示す病変の重症度、および対応する臨床的措置について問われる可能性があります。特に「異型」の有無や「前癌病変」の段階を正確に判断できるかを確認することが重要です。
関連知識
Bethesda分類の全ての主要カテゴリー(NILM, ASC-US, ASC-H, LSIL, HSIL, AGC, AIS, Adenocarcinoma, SCCなど)。各カテゴリーの具体的な定義と臨床的意義。HPV感染との関連性。子宮頸癌の発生メカニズムと細胞診・組織診の役割。細胞診の結果がその後の患者管理(経過観察、精密検査、治療など)にどう影響するか。