粘膜筋板を有する臓器はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
粘膜筋板(muscularis mucosae)は、消化管の粘膜固有層の深部に位置する平滑筋の薄い層であり、粘膜のひだの形成や局所的な運動に関与しています。食道から直腸までの消化管で特徴的に見られる構造です。選択肢の中で、この明確な粘膜筋板を持つのは食道です。唾液腺や膵臓は消化腺であり、粘膜筋板を持ちません。咽頭や胆囊にも明確な粘膜筋板は存在しません。
選択肢ごとの解説
- 1. 唾液腺は消化管に付随する腺であり、腺組織が主体で粘膜筋板は存在しません。正しくは:唾液腺は腺組織であり、粘膜筋板は持ちません。消化管壁の層構造には含まれません。選びやすい理由:消化に関わる臓器ではあるため、消化管の組織構造と混同しやすいかもしれません。混同注意:消化管本体の壁構造と、消化器系の付属腺の組織構造を混同することがあります。
- 2. 咽頭は食道の上部に位置しますが、その粘膜下組織は結合組織が主体で、明確な粘膜筋板は持たず、多層扁平上皮と固有層、さらにその下に骨格筋が位置します。正しくは:咽頭には粘膜筋板はありません。多層扁平上皮の下に固有層と骨格筋層が存在します。選びやすい理由:消化管の連続性の一部であるため、食道と同様の構造を持つと誤解する可能性があります。混同注意:食道との連続性から、同様の壁構造を持つと誤認しやすいです。咽頭は消化器と呼吸器の共有部分であり、その構造は食道とは異なります。
- 3. 正解。食道は、口腔から胃まで食物を運ぶ消化管であり、その粘膜は重層扁平上皮、固有層、そして平滑筋からなる明確な粘膜筋板(muscularis mucosae)を有しています。この粘膜筋板は、粘膜のひだの形成に関与し、消化管固有の重要な層構造の一つです。
- 4. 膵臓は消化酵素やホルモンを分泌する腺臓器であり、粘膜筋板は存在しません。消化管本体の層構造とは異なります。正しくは:膵臓は腺組織であり、粘膜筋板は持ちません。消化管壁の層構造には含まれません。選びやすい理由:消化に関わる主要な臓器であるため、消化管の組織構造と混同しやすいかもしれません。混同注意:消化管本体の壁構造と、消化器系の付属腺の組織構造を混同することがあります。
- 5. 胆囊は胆汁を貯蔵・濃縮する臓器であり、その壁は上皮、固有層、平滑筋層から構成されますが、食道のような明確な粘膜筋板は持っていません。固有層と平滑筋層が密接しています。正しくは:胆囊には粘膜筋板がありません。上皮の下に固有層と平滑筋層が直接隣接しています。選びやすい理由:消化器系の臓器であるため、消化管の他の部位と同様の構造を持つと誤解しやすいです。混同注意:消化管の管腔臓器ではあるものの、その壁構造は食道や胃腸とは異なります。
国試ポイント
消化管の各部位における組織学的特徴、特に粘膜筋板の有無を問う問題です。消化器系の臓器でも、管腔臓器(消化管本体)と付属腺、あるいは管腔臓器でも部位によって組織構造が異なることを理解しているかが試されます。
混同注意
消化管の壁構造(特に粘膜、粘膜下層、筋層)と、消化器系の付属臓器(唾液腺、膵臓など)の構造を混同しやすいです。また、消化管の部位による粘膜筋板の発達度合いの違いも混乱の元となります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、各消化管の部位における上皮の種類(例:重層扁平上皮、単層円柱上皮)や、粘膜下層腺の有無、筋層の構成(例:骨格筋、平滑筋)などを確認することが求められます。
関連知識
消化管の基本構造(粘膜層、粘膜下層、筋層、漿膜/外膜)、各層を構成する細胞の種類、および各臓器(食道、胃、小腸、大腸など)に特有の組織学的特徴を理解することが重要です。