純水製造法で、イオン交換法が逆浸透法より効率的に除去できる物質はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
イオン交換法は、水中の溶解性イオン(カチオンやアニオン)を非常に効率的に除去します。塩素は水中で主に塩化物イオン(Cl-)として存在するため、イオン交換樹脂(特に陰イオン交換樹脂)によって除去されます。一方、逆浸透法もイオンを除去できますが、イオン交換法は特に低濃度のイオンを極限まで除去するのに適しており、純水・超純水製造において最終的なイオン除去プロセスとして重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。イオン交換樹脂は、水中のイオン性物質、特に塩素イオンのような陰イオンを効率的に除去できます。逆浸透膜も塩素を除去できますが、一般的にイオン交換法の方がイオン性物質に対して高い除去効率を示します。選びやすい理由:逆浸透膜は多くの不純物を除去できるため、塩素も効率的に除去できると誤解しやすいですが、イオン性物質の除去においてはイオン交換樹脂が特に優れています。混同注意:逆浸透膜の除去能力とイオン交換樹脂の選択性
- 2. 細菌は粒子であり、逆浸透法(膜分離)の方が効率的に除去できます。イオン交換樹脂は細菌を捕捉することもありますが、その主な機能はイオンの除去であり、細菌除去には不向きです。正しくは:細菌は逆浸透法や限外ろ過などの膜分離法で効率的に除去されます。選びやすい理由:イオン交換樹脂の細かい構造が細菌を物理的に除去できると考えるかもしれませんが、その主要なメカニズムではありません。混同注意:イオン除去と粒子除去のメカニズム
- 3. メタンは水に溶けた気体であり、イオン交換法では除去できません。逆浸透法も揮発性有機化合物(VOC)の除去には限界があり、通常は脱気や活性炭吸着などの別の方法が用いられます。正しくは:メタンなどの溶存ガスは、通常、脱気処理や活性炭吸着で除去されます。選びやすい理由:水中の不純物という点で、あらゆるものが除去されると誤解する可能性があります。混同注意:溶存ガスとイオン性物質、粒子性物質の除去メカニズム
- 4. 浮遊粒子は、ろ過や逆浸透法などの膜分離によって効率的に除去されます。イオン交換樹脂はイオン性物質の除去が専門であり、粒子除去は主な役割ではありません。正しくは:浮遊粒子は逆浸透法や精密ろ過、限外ろ過などの膜分離法で効率的に除去されます。選びやすい理由:イオン交換樹脂のベッドが物理的なフィルターとして機能すると考えるかもしれませんが、その除去効率は膜分離ほど高くありません。混同注意:イオン除去と粒子除去
- 5. エンドトキシンは比較的高分子の物質であり、逆浸透法や限外ろ過によって効率的に除去されます。イオン交換法はエンドトキシンを効果的に除去する能力は低いとされています。正しくは:エンドトキシンは逆浸透法や限外ろ過などの膜分離法で効率的に除去されます。選びやすい理由:エンドトキシンも「不純物」であるため、イオン交換法で除去できると誤解しやすいかもしれません。混同注意:低分子イオンと高分子不純物の除去メカニズム
国試ポイント
純水製造における各方法(イオン交換法、逆浸透法など)の除去原理と、それぞれがどのような種類の不純物に対して得意であるか、という知識が問われています。特に、イオン交換法がイオン性物質の除去に優れる点と、逆浸透法が粒子や高分子物質、多価イオンなどの広範囲の不純物除去に優れる点の比較が重要です。
混同注意
逆浸透膜の「万能性」とイオン交換樹脂の「選択性」。逆浸透膜は多くの不純物を除去できるため、すべてにおいて優れていると誤解されがちですが、特に低濃度のイオン除去ではイオン交換樹脂の方が効率的です。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、各純水製造法(ろ過、活性炭吸着、イオン交換、逆浸透、紫外線殺菌、限外ろ過など)の原理と、それぞれが除去する対象物質の特性(イオン性、非イオン性、粒子性、有機物、ガスなど)を正確に理解しているかを確認します。
関連知識
純水製造装置の構成(前処理、逆浸透膜、イオン交換樹脂、UV殺菌、限外ろ過など)、それぞれの役割と除去対象。導電率と水質の関係。活性炭による残留塩素除去。