滅菌について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
γ線滅菌は透過力が高く、包装後の製品滅菌に適しています。乾熱滅菌は高温処理によりエンドトキシンを分解・無毒化する効果があります。一方、ろ過滅菌は熱に弱い液体試料の滅菌に有効であり、高圧蒸気滅菌は芽胞形成菌にも有効です。過酸化水素プラズマ滅菌は熱に弱いカテーテルなどの医療器具の滅菌に適しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。γ線滅菌は透過力が強く、熱に弱い医療器具や薬剤、包装された製品に対しても滅菌が可能です。
- 2. ろ過滅菌は、熱に弱い液体試料(例:血清、薬剤)から微生物を除去するのに適した方法です。孔径の小さいフィルターを通して微生物を物理的に除去します。正しくは:ろ過滅菌は、血清のような熱に弱い液体試料の滅菌に適しています。選びやすい理由:滅菌と聞くと加熱や化学的な処理を連想しやすいため、ろ過が滅菌法として万能ではない、あるいは特定の用途に不向きだと誤解しやすい。混同注意:「ろ過」と「滅菌」の定義。ろ過は物理的に微生物を除去する方法であり、熱に弱い試料に特に有用です。
- 3. 正解。乾熱滅菌は高温で長時間処理するため、耐熱性の微生物だけでなく、エンドトキシン(リポ多糖)のような比較的熱に強い物質を分解し、無毒化する効果があります。エンドトキシンは発熱性物質であり、医薬品製造において無毒化が重要です。
- 4. 高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)は、湿熱と高圧を利用することで、細菌の芽胞を含むほとんどの微生物に対して非常に高い殺滅効果を発揮する、最も一般的な滅菌法の一つです。正しくは:高圧蒸気滅菌は、芽胞を形成する細菌にも非常に効果的です。選びやすい理由:芽胞が非常に強い耐性を持つことを知っているため、完全に無効であると誤解しやすい。しかし、高圧蒸気滅菌は芽胞に対する主要な滅菌法です。混同注意:芽胞が乾燥や消毒薬に対して強い耐性を持つことと、高圧蒸気滅菌に対する感受性を混同している可能性があります。
- 5. 過酸化水素プラズマ滅菌は、低温で滅菌が可能であるため、熱に弱い医療器具(例:カテーテル、内視鏡)の滅菌に広く用いられています。水分や熱に弱い器具に特に適しています。正しくは:過酸化水素プラズマ滅菌は、カテーテルなどの熱に弱い医療器具の滅菌に適しています。選びやすい理由:比較的新しい滅菌法であるため、その特性や適用範囲について知識が不足していると、適用できないと誤解しやすい。混同注意:ホルマリンガス滅菌など、他の化学的滅菌法やその適用範囲と混同している可能性があります。
国試ポイント
滅菌法の種類とその適用範囲、および各滅菌法の特性(特に熱、水分、透過性、対象微生物、対象物質)を正確に理解しているかが問われます。特に、どの滅菌法が「芽胞」や「エンドトキシン」に有効か、また「熱に弱い器具/液体」に適しているかが頻出ポイントです。
混同注意
各滅菌法の適用対象(熱に弱いもの、熱に強いもの、包装済みのもの、液体など)と、殺菌・滅菌できる微生物の種類(特に芽胞、ウイルス、エンドトキシン)を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た際には、各滅菌法の原理、適用可能な温度・湿度条件、対象となる主な物品、殺滅できる微生物(特に芽胞、ウイルス、エンドトキシンなど)に注目して選択肢を判断する。
関連知識
化学的滅菌法(エチレンオキシドガス、過酢酸など)、物理的滅菌法(紫外線など)のそれぞれの特徴と適用。