作用機序が細胞壁合成阻害によるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
アンピシリンはペニシリン系抗菌薬で、ペプチドグリカン架橋酵素(PBP)を阻害し、細胞壁合成を妨げます。バンコマイシンはグリコペプチド系抗菌薬で、ペプチドグリカン前駆体(D-Ala-D-Ala)に結合して細胞壁架橋形成を阻害します。これらはいずれも細胞壁合成阻害薬に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。アンピシリンはペニシリン系抗菌薬であり、細胞壁の主要構成成分であるペプチドグリカンの架橋形成を阻害することで細菌の細胞壁合成を抑制します。
- 2. ゲンタマイシンはアミノグリコシド系抗菌薬であり、細菌の30Sリボソームに結合してタンパク質合成を阻害します。正しくは:ゲンタマイシンはタンパク質合成阻害薬である。選びやすい理由:幅広い抗菌スペクトルを持つため、細胞壁合成阻害と誤解する可能性がある。混同注意:ペニシリン系やセフェム系といった細胞壁合成阻害薬。
- 3. ミノサイクリンはテトラサイクリン系抗菌薬であり、細菌の30Sリボソームに結合してタンパク質合成を阻害します。正しくは:ミノサイクリンはタンパク質合成阻害薬である。選びやすい理由:広範な抗菌スペクトルを持つため、作用機序が複数ある、または細胞壁合成阻害も含むと誤解する可能性がある。混同注意:β-ラクタム系やグリコペプチド系など細胞壁合成阻害薬。
- 4. シプロフロキサシンはニューキノロン系抗菌薬であり、細菌のDNAジャイレース(トポイソメラーゼII)やトポイソメラーゼIVを阻害してDNA複製を抑制します。正しくは:シプロフロキサシンは核酸合成阻害薬である。選びやすい理由:強力な殺菌作用を持つため、細胞壁合成阻害と誤解する可能性がある。混同注意:β-ラクタム系やグリコペプチド系など細胞壁合成阻害薬。
- 5. 正解。バンコマイシンはグリコペプチド系抗菌薬であり、ペプチドグリカンの前駆体と結合し、細胞壁の架橋形成を阻害することで合成を抑制します。
国試ポイント
抗菌薬の主要な作用機序(細胞壁合成阻害、タンパク質合成阻害、核酸合成阻害、葉酸合成阻害など)と、代表的な薬剤の組み合わせを正確に覚えているかを問う問題。特に細胞壁合成阻害薬の種類を確実に識別できるかが重要。
混同注意
各抗菌薬がどの作用機序に分類されるか、特に類似した語感の薬剤や広域スペクトルを持つ薬剤で混同しやすい。例えば、ペニシリン系とマクロライド系(タンパク質合成阻害)の区別など。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出た場合、各抗菌薬が細菌のどのターゲット(細胞壁、リボソーム、DNA/RNA、代謝経路)に作用するか、さらに詳細な分子メカニズムまで問われる可能性がある。また、それぞれの作用機序が細菌の種類(グラム陽性菌、グラム陰性菌、嫌気性菌など)によって有効性が異なる点も確認すること。
関連知識
β-ラクタム系抗菌薬(ペニシリン、セフェム、カルバペネム、モノバクタム)、グリコペプチド系抗菌薬(バンコマイシン、テイコプラニン)は細胞壁合成阻害に分類される。タンパク質合成阻害薬にはアミノグリコシド系、テトラサイクリン系、マクロライド系、クロラムフェニコールなどがある。核酸合成阻害薬にはニューキノロン系、リファンピシンなどがある。