ビタミンK欠乏で異常を示すのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
ビタミンKは、凝固因子のうち第II因子(プロトロンビン)、第VII因子、第IX因子、第X因子、および抗凝固因子であるプロテインC、プロテインS、プロテインZの活性化(γ-カルボキシグルタミン酸修飾)に必須の補酵素です。プロテインC活性はビタミンK依存性凝固因子の活性そのものであり、プロトロンビン時間(PT)はこれらのビタミンK依存性凝固因子(特に第II、VII、X因子)の低下により延長します。したがって、ビタミンK欠乏で異常を示すのはプロテインC活性とプロトロンビン時間です。
選択肢ごとの解説
- 1. 出血時間は血小板機能や血管壁の状態を反映する指標であり、ビタミンK欠乏とは直接関連がありません。ビタミンKは凝固因子の産生に関与します。正しくは:出血時間は血小板数や血小板機能、血管壁の異常(例:フォン・ヴィルブランド病、血小板減少症など)で延長します。選びやすい理由:出血傾向があるため、漠然と凝固・止血系の異常を疑うと選んでしまうかもしれませんが、凝固因子とは別の機序です。混同注意:プロトロンビン時間やAPTTといった凝固時間の検査と混同しやすいですが、これらは凝固因子活性を、出血時間は血小板機能を主に評価します。
- 2. 第XII因子は内因系凝固経路の因子ですが、ビタミンK依存性凝固因子ではありません。ビタミンKは第II、VII、IX、X因子とプロテインC、プロテインS、プロテインZの活性化に必要な補酵素です。正しくは:第XII因子活性は、ビタミンK欠乏ではなく、先天的な第XII因子欠損症などで低下します。選びやすい理由:凝固因子であるため、ビタミンK欠乏との関連があるように感じやすいですが、ビタミンK依存性因子ではない点がポイントです。混同注意:ビタミンK依存性凝固因子(II, VII, IX, X)と、そうでない凝固因子(XII, VIII, V, XIなど)の区別が曖imだと選びやすいです。
- 3. フィブリノゲン(第I因子)は肝臓で産生される凝固因子ですが、ビタミンK依存性ではありません。炎症反応や肝機能障害で変動します。正しくは:フィブリノゲンは、播種性血管内凝固症候群(DIC)や重症肝障害などで低下し、急性炎症性疾患などで増加します。選びやすい理由:フィブリノゲンも重要な凝固因子であるため、ビタミンK欠乏と関連があるように錯覚しやすいかもしれません。混同注意:ビタミンK依存性凝固因子(II, VII, IX, X)と、それ以外の凝固因子(I, V, VIII, XI, XII, XIIIなど)を明確に区別できていないと、選択肢として選びがちです。
- 4. 正解。プロテインCは、ビタミンK依存性凝固因子の一つです。ビタミンKが不足すると、肝臓でのプロテインCのγ-カルボキシグルタミン酸修飾が不十分になり、その活性が低下します。プロテインCは抗凝固作用を持つため、その活性低下は血栓傾向につながる可能性があります。正しくは:(正答のため修正不要)選びやすい理由:(正答のため該当せず)混同注意:プロテインSも同様にビタミンK依存性であり、プロテインCとともに抗凝固系を構成します。
- 5. 正解。プロトロンビン時間(PT)は、外因系および共通系の凝固経路を評価する検査です。この経路には、ビタミンK依存性凝固因子である第II因子(プロトロンビン)、第VII因子、第X因子が含まれます。これらの因子がビタミンK欠乏により低下するため、PTは延長します。正しくは:(正答のため修正不要)選びやすい理由:(正答のため該当せず)混同注意:活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)も凝固時間を測定しますが、APTTは内因系および共通系を評価し、ビタミンK依存性因子(II, IX, X)が関与するため、ビタミンK欠乏で延長します。PTは特に第VII因子(半減期が短く最も早く影響が出る)の影響を強く受けます。
国試ポイント
ビタミンK依存性凝固因子(プロトロンビン、第VII因子、第IX因子、第X因子)と、抗凝固因子(プロテインC、プロテインS、プロテインZ)を正確に覚え、それぞれの因子がどの凝固検査(PT、APTTなど)に影響を与えるかを理解しているかが問われる。特に、どの凝固因子がビタミンK依存性であるか、また各検査がどの凝固経路を評価しているかを知ることが重要です。
混同注意
ビタミンK依存性凝固因子と非依存性凝固因子の混同。出血時間とプロトロンビン時間などの凝固時間の区別。APTTとPTがそれぞれどの凝固因子を反映するかについて。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず選択肢にある凝固因子や検査項目が「ビタミンK依存性」であるか否かを確認する。次に、その検査項目がどの凝固経路を評価しているかを思い出す。
関連知識
ビタミンKの吸収と代謝(脂溶性ビタミン、腸内細菌による産生)。ビタミンK拮抗薬(ワルファリン)の作用機序。新生児メレナとビタミンK投与。