ヘルシンキ宣言で提唱されたのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ヘルシンキ宣言は、世界医師会によって採択された、人間を対象とする医学研究における倫理的原則の国際的な基準です。この宣言において、被験者が研究の内容、目的、リスク、利益などについて十分な説明を受け、それを理解した上で、自らの自由な意思に基づいて研究への参加に同意する『インフォームドコンセント』の概念が明確に提唱され、その重要性が国際的に確立されました。これにより、医学研究における被験者の権利保護が強化されることになりました。
選択肢ごとの解説
- 1. ヘルシンキ宣言は、人間を対象とする医学研究における倫理原則を定めたものであり、バリアフリーは建築や社会環境における物理的・情報的な障壁除去に関する概念で、直接的な関連はありません。正しくは:ヘルシンキ宣言は、人間を対象とする医学研究における倫理的原則、特にインフォームドコンセントの重要性を提唱しました。選びやすい理由:患者の快適性や社会参加への配慮という点で、広義の「良い医療」を連想させるため、選択肢として魅力的に映るかもしれません。混同注意:患者中心の医療や、人権尊重という漠然とした概念。
- 2. セカンドオピニオンは患者の自己決定権を尊重する医療行為の一つですが、ヘルシンキ宣言が直接的に『セカンドオピニオン』の概念を提唱したわけではありません。ヘルシンキ宣言は、医学研究における被験者の倫理原則に焦点を当てています。正しくは:ヘルシンキ宣言は、人間を対象とする医学研究における倫理的原則、特にインフォームドコンセントの重要性を提唱しました。選びやすい理由:患者の権利や選択の自由を尊重するという点で、インフォームドコンセントと関連性があるように感じられるため、選びやすい可能性があります。混同注意:患者の自己決定権、インフォームドコンセント。
- 3. ノーマライゼーションは障がい者の社会参加や生活環境に関する社会福祉の理念であり、ヘルシンキ宣言が対象とする医学研究の倫理原則とは異なります。正しくは:ヘルシンキ宣言は、人間を対象とする医学研究における倫理的原則、特にインフォームドコンセントの重要性を提唱しました。選びやすい理由:弱者への配慮や人道主義的な原則という点で、医療倫理と共通点があるように見えるため、選択肢として検討してしまうかもしれません。混同注意:倫理原則、人権尊重、社会福祉の理念。
- 4. ユニバーサルデザインは製品や環境設計の概念であり、ヘルシンキ宣言が提唱した医学研究の倫理原則とは直接的な関連がありません。これはバリアフリーと類似した概念です。正しくは:ヘルシンキ宣言は、人間を対象とする医学研究における倫理的原則、特にインフォームドコンセントの重要性を提唱しました。選びやすい理由:すべての人への配慮という点で、医療の普遍的な価値と結びつけて考えてしまうため、誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:バリアフリー、患者中心の医療、包括的な支援。
- 5. 正解。ヘルシンキ宣言は、人間を対象とする医学研究における倫理的原則を定めたものであり、特に研究対象者から、内容について十分に説明を受け、理解した上で自由な意思に基づいて同意を得る『インフォームドコンセント』の取得を最も重要な原則の一つとして明確に提唱し、その概念を国際的に確立させました。
国試ポイント
ヘルシンキ宣言の内容、特にインフォームドコンセントの概念とその歴史的背景は、医療倫理の基礎として臨床検査技師国家試験で頻繁に出題されます。宣言で提唱された具体的な原則や、それがなぜ重要であるかを理解し、類似する患者の権利に関する概念との区別を明確にしておくことが重要です。
混同注意
インフォームドコンセントは、セカンドオピニオンや患者の自己決定権など、患者の権利を尊重する他の概念と混同されがちです。しかし、ヘルシンキ宣言が特に対象とするのは『医学研究における倫理原則』であり、その中核としてインフォームドコンセントを明記した点に注目してください。また、バリアフリー、ノーマライゼーション、ユニバーサルデザインは、社会福祉や設計思想に関するもので、直接的な関連はありません。
次に同じ論点が出たら
次回、この論点が出題された場合、『医学研究』『倫理原則』『被験者の保護』といったキーワードに着目し、特に研究における同意のあり方に関連する概念を選ぶようにしましょう。また、ヘルシンキ宣言が単なる『患者の権利』ではなく、『医学研究における被験者の権利』に焦点を当てている点を再確認することが重要です。
関連知識
ヘルシンキ宣言は、第二次世界大戦後のニュルンベルク裁判で明らかになった人体実験の反省を受けて策定されたニュルンベルク綱領の精神を発展させ、医師主導の医学研究における倫理原則として確立されました。これ以外にも、医療倫理の重要な原則には、『患者の自己決定権の尊重』『善行(beneficence)』『無危害(non-maleficence)』『正義(justice)』などがあります。