アミノ酸を結合してリボソームに運搬する働きをするのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
tRNAの役割は、アミノ酸に結合し、リボソームでmRNAのコドンに対応するアンチコドンを介して適切な位置にアミノ酸を供給することです。これにより、mRNAの遺伝情報に基づいた正確なタンパク質合成が保証されます。
選択肢ごとの解説
- 1. mRNAはDNAの遺伝情報を写し取り、タンパク質のアミノ酸配列を指定するコドンとしてリボソームに情報を伝達する役割を担いますが、アミノ酸自体を運搬するわけではありません。正しくは:mRNAは、DNAの遺伝情報をコドンとしてリボソームへ伝えることで、タンパク質合成の鋳型となります。選びやすい理由:タンパク質合成に不可欠なRNAであるため、機能が混同されやすい。混同注意:tRNAのアミノ酸運搬機能と混同しやすい。
- 2. rRNAはリボソームの構造を形成し、タンパク質合成の場を提供したり、ペプチド結合の触媒作用(ペプチジルトランスフェラーゼ活性)を持ったりしますが、アミノ酸を運搬する機能はありません。正しくは:rRNAは、リボソームの骨格を形成し、タンパク質合成の触媒として機能します。選びやすい理由:リボソームの構成要素であるため、リボソームでのアミノ酸関連の機能と誤解されやすい。混同注意:tRNAがリボソーム内で働くことと、rRNAがリボソーム自体であることと混同しやすい。
- 3. 正解。tRNAは、細胞質内の特定のアミノ酸をアミノアシルtRNAシンテターゼによって結合させ、リボソームへと運びます。その際、tRNAのアンチコドンがmRNAのコドンと相補的に結合することで、適切なアミノ酸がタンパク質鎖に組み込まれるように機能します。
- 4. hnRNAは、mRNAになる前の未成熟なRNAであり、スプライシングなどのプロセシングを経て成熟mRNAになります。アミノ酸を直接リボソームへ運搬する機能はありません。正しくは:hnRNAは、真核生物において遺伝子が転写された直後に生成されるRNAで、スプライシングなどの修飾を受けてmRNAとなります。選びやすい理由:核内で最初に合成されるRNAであるため、遺伝情報の発現における初期段階のRNAとして選択肢に入っている。混同注意:mRNAの前駆体であるため、mRNAと機能が混同されやすいが、成熟mRNAとは異なる。
- 5. snRNAは、核内でhnRNAからイントロンを除去し、エキソンを連結するスプライシング反応において、スプライソソームの主要な構成要素として機能します。アミノ酸運搬とは無関係です。正しくは:snRNAは、スプライソソームを構成し、hnRNAからイントロンを除去するスプライシングに関与します。選びやすい理由:真核生物の核内で重要な役割を果たすRNAの一種であるため、他のRNAと機能が混同されやすい。混同注意:スプライシングに関わるため、遺伝情報の発現過程の他のRNA機能と混同しやすい。
国試ポイント
DNAからタンパク質への遺伝情報の流れ(セントラルドグマ)における各RNAの具体的な役割を理解しているかが問われます。特に、それぞれのRNAが「何を」「どこへ」「どのように」作用するのかを正確に区別できるかが重要です。
混同注意
mRNA、rRNA、tRNAは、名前が似ているだけでなく、タンパク質合成の過程で密接に連携しているため、それぞれの役割が混同されやすいです。hnRNAとsnRNAは、真核生物特有のRNAプロセシングに関わるため、この文脈で登場すると混同を招きやすいです。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合は、「アミノ酸の運搬」「リボソームへの輸送」「コドンとの対応」といったキーワードからtRNAの機能に絞り込めるか、あるいは「遺伝情報の伝達」「リボソームの構成」「スプライシング」などのキーワードから他のRNAの役割を識別できるかを確認します。
関連知識
セントラルドグマ(DNA→RNA→タンパク質)、転写と翻訳、コドンとアンチコドンの相補的結合、アミノアシルtRNAシンテターゼの役割、リボソームの構造と機能(A・P・E部位)、真核生物におけるmRNAプロセシング(キャッピング、ポリA付加、スプライシング)