ALPアイソザイムについて誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ALPアイソザイムの電気泳動において、免疫グロブリン結合型(マクロALP)は分子量が大きいため移動度が遅く、βまたはγグロブリン領域、すなわち陰極側に近い位置に検出されるのが特徴です。最も陽極側に移動するのはアルブミン結合型や通常の肝型、骨型の一部などであり、「最も陽極側」という記述は誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. この記述は正しいです。胎盤型ALPは熱安定性が高く、失活しにくいことが特徴です。選びやすい理由:胎盤型ALPの耐熱性は、他のアイソザイムとの鑑別によく用いられるため、知識として定着している学生は誤りではないと判断しやすいです。
- 2. この記述は正しいです。骨型ALPは骨芽細胞に由来するため、骨形成が盛んな小児期に高値を示します。選びやすい理由:小児の骨代謝の活発さは一般知識として広く知られているため、正しい記述と判断しやすいです。
- 3. この記述は正しいです。小腸型ALPは食事の影響を受けやすく、特に高脂肪食摂取後に血中濃度が上昇することが知られています。選びやすい理由:食事による影響は他のアイソザイムではあまり顕著でないため、特異的な情報として正しいと判断しやすいです。
- 4. この記述は正しいです。閉塞性黄疸では胆汁うっ滞により肝細胞や胆管細胞から高分子肝型ALPが逸脱・産生され、血中濃度が上昇します。選びやすい理由:閉塞性黄疸におけるALP上昇は肝型ALPの典型的な所見であり、特に高分子型が関連するため、正しいと判断しやすいです。
- 5. 正解。この記述は誤りです。免疫グロブリン結合型ALP(マクロALP)は、その分子量の大きさから電気泳動での移動度が遅く、一般的にβまたはγグロブリン領域、すなわち陰極側に近い位置に検出されます。設問の「最も陽極側」は誤りです。正しくは:免疫グロブリンと結合したALPは、電気泳動を行うと陽極側への移動度が遅く、βまたはγグロブリン領域(陰極側)に検出されることが多いです。選びやすい理由:電気泳動の移動度に関する知識は混同しやすいため、漠然と「検出される」という情報に惑わされる可能性があります。混同注意:他のアイソザイム(例:肝型)が比較的陽極側に移動すること、または電気泳動の基本的な移動方向(アルブミンが最も陽極側)と混同する可能性があります。
国試ポイント
ALPアイソザイムの各型の特徴(耐熱性、生理的変動、病態との関連、電気泳動での移動度)を正確に理解しているかどうかが問われる問題です。特に電気泳動における移動度は、他のアイソザイムとの鑑別の重要なポイントです。
混同注意
免疫グロブリン結合型ALPと、他のALPアイソザイム(肝型、骨型、胎盤型など)の電気泳動上の位置。特に、最も陽極側に移動するアイソザイム(アルブミン結合型ALPなど)と混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
ALPアイソザイムに関する問題が出た場合、各アイソザイムの①由来臓器、②熱安定性、③阻害剤に対する反応、④電気泳動での移動度、⑤生理的・病態時変動、⑥主要疾患との関連について、正確な知識があるかを確認する。
関連知識
ALPアイソザイムの分離方法(電気泳動、熱安定性試験、阻害試験)、各アイソザイムの臨床的意義(肝疾患、骨疾患、妊娠、小児の生理的高値など)、マクロALPの概念と臨床的意義。