消毒用エタノールに抵抗性を示すのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3番
解説
消毒用エタノールは、エンベロープを持つウイルスやほとんどの細菌、真菌には有効ですが、エンベロープを持たないウイルス(ノンエンベロープウイルス)や細菌の芽胞に対しては効果が著しく低下します。ノロウイルスはノンエンベロープウイルスであり、クロストリディオイデス・ディフィシルは芽胞を形成する細菌であるため、これらは消毒用エタノールに抵抗性を示します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ノロウイルスはエンベロープを持たないノンエンベロープウイルスであり、消毒用エタノールに対して抵抗性を示すことが知られています。アルコールは主にエンベロープを破壊することで効果を発揮するため、ノンエンベロープウイルスには効果が低い傾向があります。選びやすい理由:一般的なウイルス全般に消毒用エタノールが有効だと思い込むと誤答しやすいかもしれません。混同注意:エンベロープを持つウイルス(インフルエンザウイルスなど)とは区別して考える必要があります。
- 2. カンジダ・アルビカンスは真菌の一種ですが、消毒用エタノールはカンジダを含む多くの真菌に対して有効性が認められています。特に、手や皮膚の消毒には頻繁に使用されます。正しくは:カンジダ・アルビカンスは消毒用エタノールに感受性を示す。選びやすい理由:真菌であるため、細菌とは異なる抵抗性を持つと誤解する可能性があります。混同注意:芽胞を形成する細菌やノンエンベロープウイルスとは異なる感受性です。
- 3. 正解。クロストリディオイデス・ディフィシルは芽胞を形成する細菌であり、芽胞は非常に強い抵抗性を持つため、消毒用エタノールでは効果が期待できません。CDCなどでも、C. difficileに対する手洗いには石鹸と水が推奨されています。選びやすい理由:一般的な細菌にはアルコールが有効なので、細菌であれば全て効くと思い込むと誤答しやすいです。混同注意:栄養型細菌(ブドウ球菌、緑膿菌など)とは区別して、芽胞形成細菌の抵抗性を理解する必要があります。
- 4. 緑膿菌は代表的なグラム陰性桿菌であり、消毒用エタノールはグラム陰性菌を含む多くの細菌に対して有効です。特に環境表面や手指の消毒に用いられます。正しくは:緑膿菌は消毒用エタノールに感受性を示す。選びやすい理由:多剤耐性菌として知られているため、消毒薬にも抵抗性があると考えてしまうかもしれません。混同注意:抗菌薬耐性と消毒薬耐性は別物として考える必要があります。芽胞とは異なります。
- 5. 黄色ブドウ球菌は代表的なグラム陽性球菌であり、消毒用エタノールはグラム陽性菌にも有効です。MRSAなどの耐性菌であっても、消毒用エタノールの効果は期待できます。正しくは:黄色ブドウ球菌は消毒用エタノールに感受性を示す。選びやすい理由:MRSAなどの耐性菌も含まれるため、消毒薬にも耐性があると考えてしまうかもしれません。混同注意:抗菌薬耐性と消毒薬耐性は別物です。芽胞とは異なります。
国試ポイント
消毒薬の作用機序と、それに対する各種微生物の抵抗性について正確な知識が問われています。特に、ノンエンベロープウイルスと芽胞形成菌がアルコール消毒薬に抵抗性を示すという重要なポイントを理解しているかが鍵です。
混同注意
抗菌薬への耐性と消毒薬への耐性を混同しやすい。また、一般的な細菌や真菌、エンベロープウイルスはアルコールに感受性があるため、例外であるノンエンベロープウイルスと芽胞形成菌を区別できないと誤答につながる。
次に同じ論点が出たら
今後も消毒薬と微生物の感受性に関する問題が出題される可能性が高いです。特に、COVID-19パンデミック以降、手指衛生や環境消毒の重要性が増しており、出題頻度も高まると予想されます。次に出題された場合、他の消毒薬(例: 次亜塩素酸ナトリウム)に対する感受性や、それぞれの消毒薬がどの微生物群に有効か(例: 芽胞には次亜塩素酸ナトリウムが有効など)が問われる可能性があります。
関連知識
消毒薬の種類(アルコール、次亜塩素酸ナトリウム、ポビドンヨードなど)とそれぞれの作用機序、適用微生物。各微生物(細菌、ウイルス、真菌)の構造(エンベロープの有無、芽胞の有無)と消毒薬への感受性の関係。