ワクチンが開発されていないウイルスはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
C型肝炎ウイルス(HCV)に対する予防ワクチンは、その遺伝的多様性の高さから開発が非常に困難であり、現在のところ実用化されたものはありません。選択肢にある他のウイルス(風疹、麻疹、水痘・帯状疱疹、インフルエンザ)には、それぞれ有効なワクチンが存在し、感染症対策に貢献しています。特に麻疹、風疹、水痘は定期接種の対象です。
選択肢ごとの解説
- 1. 風疹ウイルスには、MMRワクチン(麻疹・おたふくかぜ・風疹混合ワクチン)として広く接種されている有効なワクチンが存在します。これにより、風疹の感染予防と集団免疫の形成が図られています。正しくは:風疹ウイルスには有効なワクチンが存在する。選びやすい理由:ウイルス感染症であるため、ワクチンがないと誤解する可能性がある。混同注意:過去に予防接種率が低かった時期があったことと混同するかもしれない。
- 2. 麻疹ウイルスにも、MMRワクチンとして有効なワクチンが普及しており、定期接種の対象となっています。麻疹は感染力が非常に強いため、ワクチンによる予防が極めて重要視されています。正しくは:麻疹ウイルスには有効なワクチンが存在する。選びやすい理由:麻疹の重症度や死亡率の高さから、対策が十分でないと錯覚する可能性がある。混同注意:先進国で麻疹の発生報告があると、ワクチンが効かないと誤解するかもしれない。
- 3. 正解。C型肝炎ウイルス(HCV)に対する有効なワクチンは、2024年現在、まだ開発されていません。HCVは遺伝子の多様性が高く、変異しやすいため、広範囲に効果のあるワクチンの開発が困難とされています。治療法は近年大きく進歩しましたが、予防は主に感染経路の遮断に頼っています。正しくは:C型肝炎ウイルスには有効なワクチンが未開発である。選びやすい理由:他の肝炎ウイルス(A型、B型)にはワクチンがあるため、混同しやすい。混同注意:B型肝炎ウイルス(HBV)のワクチンと混同しやすい。また、近年進歩した治療薬の存在とワクチンの有無を混同しやすい。
- 4. 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)には、水痘(みずぼうそう)を予防するワクチンと、帯状疱疹を予防するワクチン(水痘ワクチンと同じウイルス株を用いたもの、または組換えサブユニットワクチン)が開発され、普及しています。特に水痘ワクチンは定期接種になっています。正しくは:水痘・帯状疱疹ウイルスには有効なワクチンが存在する。選びやすい理由:帯状疱疹は高齢者に多い病気であるため、予防が難しいと感じるかもしれない。混同注意:子供の頃に水痘にかかることが一般的だったため、ワクチンがないと錯覚するかもしれない。
- 5. インフルエンザウイルスには、毎年流行する株に合わせて製造されるワクチンが存在します。このワクチンは、感染そのものを完全に防ぐわけではありませんが、重症化や合併症の予防に有効とされています。正しくは:インフルエンザウイルスには有効なワクチンが存在する。選びやすい理由:ワクチンの効果が限定的である(毎年接種が必要、完全に感染を防げない)ため、有効なワクチンではないと誤解する可能性がある。混同注意:インフルエンザワクチンの接種率が低かったり、流行株とワクチンのミスマッチがあったりすると、効果がないと誤解しやすい。
国試ポイント
本問題は、主要なウイルス感染症に対するワクチンの有無という基本的な知識を問うものです。臨床検査技師として、感染症予防に関する知識は必須であり、特にワクチンで予防可能な疾患とそうでない疾患を区別できることが重要です。具体的なウイルス名と対応するワクチンの有無を正確に理解しているかを評価します。
混同注意
B型肝炎ウイルス(HBV)にはワクチンがありますが、C型肝炎ウイルス(HCV)にはありません。肝炎ウイルスという大きなくくりで混同しやすい点です。また、治療薬の有無とワクチンの有無を混同することも考えられます。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が問われた場合、主なウイルス感染症とその予防法(ワクチン、治療薬)について、特に「ワクチンがまだ存在しない疾患」に焦点を当てて確認する。また、ワクチンがある疾患については、それが定期接種か任意接種か、どのような種類のワクチンか、なども問われる可能性がある。
関連知識
A型肝炎ウイルスにはワクチンがあります。HIVにもワクチンは開発されていません。デング熱ウイルスやエボラウイルスなど、近年ワクチン開発が進んでいるウイルスについても知識を広げると良いでしょう。ワクチンの種類(生ワクチン、不活化ワクチン、mRNAワクチンなど)や接種スケジュール(定期接種、任意接種)も関連知識として重要です。