小脳のKlüver-Barrera染色標本(別冊No. 6)を別に示す。矢印で示すのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
Klüver-Barrera染色は、ミエリンと神経細胞を染色する特殊染色法です。ミエリンは青緑色、神経細胞体は紫青色に染まります。特に神経細胞の細胞質内にある粗面小胞体とポリリボソームの集合体であるNissl小体は濃い青紫色に顆粒状に染色されるのが特徴です。提示された画像では、矢印が小脳のPurkinje細胞の細胞質内の顆粒構造を指しており、これはNissl小体の典型的な所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. 砂粒体は主に髄膜腫や乳頭癌などで見られる石灰化した構造物であり、小脳の神経細胞に見られるものではない。正しくは:この染色標本で矢印が示すのはNissl小体である。選びやすい理由:小体と付くため、組織学的な構造物であるという点で混同しやすいかもしれない。混同注意:Nissl小体、Russell小体、Mallory小体、アミロイド小体など、他の様々な小体と混同しやすい。
- 2. 正解。Klüver-Barrera染色では神経細胞の細胞質内に存在するNissl小体(粗面小胞体とポリリボソームの集合体)が青紫色に染色される。矢印は小脳のPurkinje細胞の細胞質内の顆粒状構造を指しており、これはNissl小体の特徴的な所見である。
- 3. Russell小体は形質細胞の細胞質内に蓄積する免疫グロブリンの封入体であり、炎症性疾患などで見られるが、正常な小脳の神経細胞には存在しない。正しくは:この染色標本で矢印が示すのはNissl小体である。選びやすい理由:『小体』という名称から、細胞内の構造物として可能性を検討しがちである。混同注意:Nissl小体、Mallory小体など、他の細胞内封入体と混同しやすい。
- 4. Mallory小体(Mallory-Denk体)は肝細胞の細胞質内に見られる中間径フィラメント(ケラチン)の凝集体であり、アルコール性肝炎などで特徴的である。神経細胞には見られない。正しくは:この染色標本で矢印が示すのはNissl小体である。選びやすい理由:神経系の病理学以外の病理学知識と混同しやすい。混同注意:Nissl小体、Russell小体など、他の病理学的な細胞内構造物と混同しやすい。
- 5. アミロイド小体(corpora amylacea)は主に高齢者の脳や脊髄のグリア細胞に見られる変性構造物であり、通常はNissl小体とは異なる染色性を示す。Klüver-Barrera染色でNissl小体のように濃く染色されることはない。正しくは:この染色標本で矢印が示すのはNissl小体である。選びやすい理由:神経組織で確認される小体であり、Klüver-Barrera染色で確認される他の構造物と誤認しやすい。混同注意:Nissl小体、または病理学的なアミロイド沈着と混同しやすい。
国試ポイント
脳組織の特殊染色(Klüver-Barrera染色)における主要な神経細胞構造(Nissl小体)の同定能力が問われています。特に、異なる『小体』という名称を持つ様々な組織学的構造物との鑑別が重要です。
混同注意
Nissl小体、砂粒体、Russell小体、Mallory小体、アミロイド小体といった、病理学や組織学で登場する様々な『小体』の名称とその特徴的な出現部位・染色性・疾患との関連性を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
Klüver-Barrera染色が提示された場合、ミエリンと神経細胞の染色パターンに着目し、特にPurkinje細胞のような特徴的な細胞におけるNissl小体の有無や形態を判断する。他の染色法(HE染色、GBAP染色など)との比較も重要となる。
関連知識
Klüver-Barrera染色、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色、GBAP染色などの脳組織染色法の目的と染色される成分。小脳の組織構造(皮質、髄質、Purkinje細胞層、顆粒細胞層など)。神経細胞とグリア細胞の基本的な形態。Nissl小体の機能(タンパク質合成)と病理学的な変化。