イムノクロマト法による抗原検査が行われているのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
イムノクロマト法は、迅速に病原体の抗原を検出する手法であり、特に外来診療などでその場で結果が必要とされる感染症に適用されます。選択肢の中では、アデノウイルス(咽頭結膜熱や胃腸炎など)とインフルエンザウイルスが、この方法を用いた迅速抗原検査が臨床で広く用いられている代表的な病原体です。
選択肢ごとの解説
- 1. 風疹ウイルスの診断は、主に血中の抗体測定(IgM、IgG)によって行われます。迅速抗原検査は一般的ではありません。正しくは:主に抗体検査が用いられる。選びやすい理由:ウイルス感染症であるため、抗原検査の対象になる可能性を考えるかもしれないが、実際の臨床現場での主流な診断法ではない。混同注意:他のウイルス感染症で迅速抗原検査が行われるものと混同する可能性がある。
- 2. 麻疹ウイルスの診断も、血清抗体検査(IgM、IgG)やRT-PCRによるウイルスRNA検出が主な方法であり、イムノクロマト法による抗原検査は一般的ではありません。正しくは:主に抗体検査や遺伝子検査が用いられる。選びやすい理由:風疹と同様に、ウイルス感染症という点で抗原検査の可能性を想起するかもしれない。混同注意:他のウイルス感染症で迅速抗原検査が行われるものと混同する可能性がある。
- 3. 正解。アデノウイルスは咽頭結膜熱(プール熱)や胃腸炎などを引き起こし、迅速診断のために咽頭拭い液や便検体を用いたイムノクロマト法による抗原検査が広く実施されています。混同注意:多くのウイルス感染症がある中で、アデノウイルスの迅速抗原検査の適用を知らないと正答できない。
- 4. ムンプスウイルス(おたふくかぜウイルス)の診断は、血清アミラーゼ上昇や血中の抗体測定(IgM、IgG)、ウイルス分離、RT-PCRなどで行われます。イムノクロマト法による抗原検査は一般的に用いられません。正しくは:主に抗体検査やウイルス分離、遺伝子検査が用いられる。選びやすい理由:流行性耳下腺炎という身近な感染症であるため、迅速検査の対象になりそうだと誤解する可能性がある。混同注意:他のウイルス感染症で迅速抗原検査が行われるものと混同する可能性がある。
- 5. 正解。インフルエンザウイルスは、流行期に迅速な診断と治療方針決定のために、鼻腔・咽頭拭い液などを用いたイムノクロマト法による抗原検査が広く利用されています。混同注意:非常に身近な感染症であり、迅速検査の対象であることを知っているべきだが、他のウイルスとの区別が曖昧だと迷う可能性がある。
国試ポイント
この問題は、臨床検査技師が日常業務で接する機会の多い感染症について、その診断法、特に迅速検査法の適用範囲に関する知識を問うものです。各病原体の標準的な診断方法を理解しているかがポイントになります。
混同注意
ウイルス感染症全般にイムノクロマト法が適用されると誤解しやすい。抗体検査が主に行われるウイルスと、抗原検査が主に行われるウイルス、あるいは遺伝子検査が主に行われるウイルスとの区別が曖昧になりやすい。
次に同じ論点が出たら
次回同じような論点が出た場合は、グラム染色、培養、血清学的検査、遺伝子検査など、他の主要な検査法と各病原体との組み合わせについて問われる可能性があるため、各病原体に対する最適な診断法を覚えているかを確認する。
関連知識
イムノクロマト法の原理(抗原抗体反応を利用した免疫学的測定法)、各ウイルス感染症の疫学、臨床症状、他の診断方法(PCR法、ELISA法、ウイルス分離など)。