Guillain-Barré〈ギラン・バレー〉症候群と関連しているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
ギラン・バレー症候群は、急性発症の自己免疫性多発神経炎で、先行感染が引き金となることが多いです。中でも、カンピロバクター・ジェジュニによる腸炎が最も高頻度に関連しており、その病態には分子擬態が深く関与していると考えられています。カンピロバクターの細胞膜成分と末梢神経のガングリオシドが類似しているため、カンピロバクターに対する免疫応答が誤って神経組織を攻撃してしまうことで発症します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。カンピロバクター・ジェジュニによる感染は、ギラン・バレー症候群の最も一般的な先行感染症として知られています。この細菌の細胞壁に含まれるリポオリゴ糖(LOS)が、ヒトの神経細胞のガングリオシドと分子構造が類似しているため、免疫系がカンピロバクターを攻撃する際に誤って神経を攻撃してしまう「分子擬態」というメカニズムが関与していると考えられています。
- 2. ヘモフィルス・インフルエンザエは、主に上気道炎、中耳炎、髄膜炎などの原因となる細菌ですが、ギラン・バレー症候群との直接的な強い関連性は報告されていません。肺炎球菌やマイコプラズマなど、他の呼吸器感染症起因菌の方が、ギラン・バレー症候群との関連が指摘されることがあります。正しくは:ギラン・バレー症候群との関連が強いのはカンピロバクター・ジェジュニです。ヘモフィルス・インフルエンザエは主に呼吸器感染症や髄膜炎の原因となります。選びやすい理由:一般的な呼吸器感染症の原因菌として知られているため、なんらかの神経系合併症を疑う可能性から選ばれるかもしれません。混同注意:他の呼吸器感染症(肺炎など)と関連する神経学的合併症と混同する可能性があります。
- 3. ヘリコバクター・ピロリは、胃炎や胃潰瘍、胃がんの原因となる細菌ですが、ギラン・バレー症候群との直接的な強い関連性は一般的に認識されていません。他の自己免疫疾患、例えば特発性血小板減少性紫斑病(ITP)などとの関連は報告されていますが、ギラン・バレー症候群とは異なります。正しくは:ギラン・バレー症候群との関連が強いのはカンピロバクター・ジェジュニです。ヘリコバクター・ピロリは主に消化器疾患(胃炎、胃潰瘍など)の原因となります。選びやすい理由:様々な自己免疫疾患との関連が報告されているため、ギラン・バレー症候群もその一つではないかと推測してしまうかもしれません。混同注意:ヘリコバクター・ピロリが関与する他の自己免疫疾患(例:ITP)と混同する可能性があります。
- 4. スタフィロコッカス・アウレウス(黄色ブドウ球菌)は、皮膚感染症、食中毒、敗血症など、非常に広範な感染症を引き起こす細菌ですが、ギラン・バレー症候群の主要な先行感染症としては通常挙げられません。稀なケースでは、化膿性感染症が免疫応答を誘発し、自己免疫疾患につながる可能性は否定できませんが、ギラン・バレー症候群との特異的かつ強い関連はありません。正しくは:ギラン・バレー症候群との関連が強いのはカンピロバクター・ジェジュニです。スタフィロコッカス・アウレウスは多様な化膿性疾患や毒素性疾患の原因となります。選びやすい理由:非常に一般的な病原菌であるため、何らかの疾患との関連を考える際に、選択肢として選びやすいかもしれません。混同注意:ブドウ球菌による毒素性ショック症候群など、他の神経症状を伴う疾患と混同する可能性があります。
- 5. トレポネーマ・パリドゥムは梅毒の原因菌であり、神経梅毒として神経系に影響を及ぼすことがありますが、これはギラン・バレー症候群とは異なる病態です。梅毒は慢性的な感染症であり、ギラン・バレー症候群のような急性炎症性脱髄性多発神経炎とはメカニズムが異なります。正しくは:ギラン・バレー症候群との関連が強いのはカンピロバクター・ジェジュニです。トレポネーマ・パリドゥムは梅毒の原因菌であり、神経梅毒を引き起こします。選びやすい理由:神経系に影響を与える細菌として知られているため、関連を疑ってしまうかもしれません。混同注意:神経梅毒など、他の神経系の感染症やその合併症と混同する可能性があります。
国試ポイント
ギラン・バレー症候群の主要な先行感染症として、カンピロバクター・ジェジュニとの関連を正確に理解しているかを問う問題です。病態生理における分子擬態の概念も重要です。
混同注意
他の一般的な細菌感染症が、稀にギラン・バレー症候群の引き金となるケースがあるため、最も頻度の高い原因菌を正確に覚える必要があります。例えば、マイコプラズマ肺炎やサイトメガロウイルス感染症なども先行感染として挙げられることがありますが、細菌ではカンピロバクター・ジェジュニが最も重要です。
次に同じ論点が出たら
ギラン・バレー症候群に関連する他の先行感染(ウイルスなど)、主要な病型、または治療法について問われる可能性が高いです。
関連知識
ギラン・バレー症候群の病型(急性炎症性脱髄性多発神経炎:AIDP、軸索型など)、臨床症状(上行性麻痺、腱反射消失)、治療法(免疫グロブリン静注療法、血漿交換)、関連する他の先行感染症(サイトメガロウイルス、EBウイルスなど)。