Nissl小体が染まる色素はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
Nissl小体は、神経細胞の細胞質内に存在する粗面小胞体と遊離リボソームの集合体であり、RNAが豊富に含まれています。クレシル紫のような塩基性色素は、このRNAのリン酸基などの酸性成分と結合することで、Nissl小体を鮮やかに紫色に染め出します。これにより、神経細胞の形態や活動状態を評価することができます。
選択肢ごとの解説
- 1. アニリン青は、Nissl小体の染色には使用されません。正しくは:主にマッソントリクローム染色などでコラーゲン線維(結合組織)を青色に染め出す色素です。選びやすい理由:一般的な組織染色で使われる色素の一つであるため、知識が曖昧だと選択肢に入りやすいかもしれません。混同注意:他の青色系色素や、一般的な細胞構造を染める色素と混同しやすいです。
- 2. 正解。クレシル紫は、塩基性色素であり、Nissl小体に豊富に含まれるRNA(リボソーム)などの酸性成分と結合して紫色に染め出します。これにより、神経細胞の特徴的な構造であるNissl小体が明確に可視化されます。
- 3. クリスタル紫は、Nissl小体の特異的な染色には用いられません。正しくは:グラム染色で細菌の染色に、またアミロイド染色にも利用されることがあります。クレシル紫と名称が似ていますが、用途が異なります。選びやすい理由:クレシル紫と名前が似ているため、混同して誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:クレシル紫や、他の塩基性色素と混同しやすいです。
- 4. アゾカルミンGは、Nissl小体の染色には適しません。正しくは:主にアザン・マロリー染色やハイデンハインのアザン染色において、核や赤血球などを赤色に染める色素として使用されます。選びやすい理由:組織学染色で用いられる色素であるため、知識が曖昧だと選択肢に入りやすいかもしれません。混同注意:他の核染色色素や、一般的な組織染色で用いられる赤色系色素と混同しやすいです。
- 5. ルクソール・ファスト青は、Nissl小体の染色には使用されません。正しくは:主に神経組織のミエリン鞘(脂質)を青色に染め出すための色素として用いられます。選びやすい理由:Nissl小体と同じ神経組織に関連する染色法であるため、知識が曖昧だと誤って選択しやすいです。混同注意:Nissl小体染色とミエリン鞘染色という、神経組織内の異なる構造を染める技術と混同しやすいです。
国試ポイント
本問題は、神経組織の主要な構造であるNissl小体の特定と、それに用いられる代表的な染色法に関する知識を問うものです。特に、病理学や組織学の分野で頻出の、特定の構造物と特異的な染色色素の組み合わせを正確に覚えているかが重要となります。他の選択肢には、他の組織や成分を染める色素が提示されており、混同を誘う構造になっています。
混同注意
Nissl小体染色に用いるクレシル紫と、グラム染色やアミロイド染色に用いるクリスタル紫の混同。また、神経組織の別の構造(ミエリン鞘など)を染めるルクソール・ファスト青との混同にも注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、Nissl小体の機能(タンパク質合成)、病態との関連(クロマトリシス)、他の神経組織染色(ミエリン鞘染色、神経線維染色)の組み合わせが問われる可能性があります。また、特定の色素がどのような化学的性質(塩基性/酸性)を持ち、どのような物質(RNA, DNA, タンパク質、脂質など)に結合するのかという基礎的な原理も確認しましょう。
関連知識
Nissl小体は、神経細胞におけるタンパク質合成の場であり、その増減は神経細胞の機能状態や病変(例:クロマトリシス)を反映します。クレシル紫以外にも、トルイジン青やメチレン青などの他の塩基性色素もNissl小体を染めることが可能です。また、ミエリン鞘を染めるルクソール・ファスト青と組み合わせることで、神経細胞体と神経線維の両方を同時に観察する手法(LFB-クレシル紫染色)もあります。