第XIII因子で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
第XIII因子(フィブリン安定化因子)は、トロンビンにより活性化された後、フィブリンモノマー間で共有結合による架橋を形成し、安定したフィブリンポリマーを生成します。この安定化したフィブリン塊は、血餅の強度を高め、止血およびその後の創傷治癒過程において重要な役割を果たします。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。活性化第XIII因子は、フィブリンモノマー間の共有結合による架橋を形成し、安定したフィブリンポリマーを生成します。これにより血餅が強化され、止血機構の維持および創傷治癒プロセスにおいて不可欠な役割を果たします。選びやすい理由:第XIII因子が止血だけでなく創傷治癒にも関与するという事実は、その機能の広がりを示すため、正しいと判断しやすい。混同注意:他の凝固因子や細胞成分(血小板、線維芽細胞など)の創傷治癒における役割
- 2. 第XIII因子は、すでに形成されたフィブリンを安定化させる因子であり、内因系および外因系の凝固経路には直接関与しません。そのため、その欠損症では活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)やプロトロンビン時間(PT)は延長しません。正しくは:第XIII因子欠損症では活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は延長しない。選びやすい理由:凝固因子の欠損症は一般的にAPTTやPTの延長を伴うことが多いため、第XIII因子も同様と誤解しやすい。混同注意:他の凝固因子(例:第VIII因子、第IX因子)欠損症によるAPTT延長
- 3. 第XIII因子はトランスグルタミナーゼという酵素であり、タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)ではありません。フィブリン間の架橋結合形成を触媒します。正しくは:これはトランスグルタミナーゼである。選びやすい理由:多くの凝固因子がプロテアーゼ(セリンプロテアーゼなど)として機能するため、第XIII因子も同様と誤解しやすい。混同注意:トロンビンや活性化第X因子(Xa)などのセリンプロテアーゼ
- 4. 第XIII因子は、活性化第X因子(Xa)ではなく、トロンビンによって活性化されます。トロンビンが第XIII因子からN末端ペプチドを切断することで活性化されます。正しくは:トロンビンによって活性化される。選びやすい理由:凝固カスケードにおいて活性化第X因子(Xa)がトロンビン産生に関わるため、第XIII因子の活性化にも直接関与すると誤解しやすい。混同注意:プロトロンビンからトロンビンへの活性化(Xaによる)
- 5. 活性化された第XIII因子は、フィブリンのγ鎖間に主に架橋結合を形成し、その後β鎖間にも形成されるとされています。選択肢の「β鎖間に架橋結合を形成する」という記述は、限定的かつ正確性に欠けるため不適切です。主要な架橋結合はγ鎖間です。正しくは:フィブリンのγ鎖間に主に架橋結合を形成する。選びやすい理由:フィブリンの架橋結合を形成することは正しいが、鎖の種類まで正確に記憶していない場合、この記述を選んでしまう可能性がある。混同注意:フィブリンの構造や他の凝固因子のターゲット
国試ポイント
第XIII因子は、フィブリン架橋形成による血餅安定化と創傷治癒への関与を覚える。凝固検査ではAPTTやPTが延長しない点も重要。
混同注意
第XIII因子欠損症では、APTTやプロトロンビン時間(PT)などの一般的な凝固検査は正常値を示すため、他の凝固因子欠損症と混同しないように注意が必要です。また、フィブリン溶解系との区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
第XIII因子に関する問題が出た場合、その機能がフィブリンの架橋結合形成による血餅安定化と創傷治癒への関与であるか、また通常の凝固検査(APTT, PT)が延長しないかを確認して判断する。
関連知識
第XIII因子はトロンビンによって活性化される。フィブリンの安定化に必須であり、止血機構の最終段階を担う。先天性第XIII因子欠損症では、出血傾向(特に晩期出血)や創傷治癒遅延が見られる。診断には尿素溶解性試験などが用いられる。