3.14%クエン酸ナトリウム溶液を用いて抗凝固した血液の遠心分離(1,500 G,15分間)後の状態(別冊No. 12)を別に示す。血小板が存在するのは図中矢印のどの位置か。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
抗凝固処理された血液を遠心分離すると、密度差によって成分が分離します。上層から順に血漿、バフィーコート(白血球と血小板)、赤血球の層ができます。血小板は白血球とともにバフィーコート(図中のb)に集まります。
選択肢ごとの解説
- 1. aは血漿上層部分であり、通常は血小板が凝集して血餅を形成しない限り、この部分にはほとんど存在しません。主に脂質などの軽い成分が浮上することがあります。正しくは:血漿の大部分は水分とタンパク質であり、血小板は白血球と赤血球の間に位置するバフィーコートの上層に存在します。選びやすい理由:血小板が小さいので、液体の上部に浮くと誤解するかもしれません。混同注意:血漿と血小板の位置を混同している可能性があります。
- 2. 正解。遠心分離後の血液では、血小板は白血球とともに『バフィーコート』と呼ばれる層を形成し、血漿層と赤血球層の間に位置します。このバフィーコートは薄い白色の層で、主に白血球と血小板から構成されます。図のbの位置がこれに該当します。選びやすい理由:血小板の密度が他の細胞成分と異なるため、正確な位置を把握していないと迷う可能性があります。混同注意:白血球と血小板が同じバフィーコートを形成することを理解していない場合、どちらかの層として誤認する可能性があります。
- 3. cは血漿層の下層部分、バフィーコートの直下に位置しますが、血小板の大部分はバフィーコート内に存在します。この層にはごくわずかな血小板しか残っていません。正しくは:血小板はバフィーコートに集まります。選びやすい理由:血漿全体に分散していると誤解し、血漿の一部と考えるかもしれません。混同注意:血漿とバフィーコートの境界が曖昧に感じられると、この部分を選ぶ可能性があります。
- 4. dは主に赤血球の層です。赤血球は血球成分の中で最も密度が高いため、遠心分離後に一番下に沈降します。血小板は赤血球よりも密度が低いため、この層にはほとんど存在しません。正しくは:dの層は主に赤血球で構成されます。選びやすい理由:血液の主成分である赤血球層の一部と誤解するかもしれません。混同注意:血球成分全般が下に沈むと大まかに考えてしまうと、この選択肢を選ぶかもしれません。
- 5. eは最も底部の沈殿物であり、主に赤血球が密に集まった部分です。血小板はここには存在しません。正しくは:eは最も密度の高い赤血球の層の底部です。選びやすい理由:全ての細胞成分が底に沈むと考えるかもしれません。混同注意:血小板が細胞であるため、赤血球と同じように最も底に沈むと誤解する可能性があります。
国試ポイント
遠心分離後の血液成分の層状構造と、各層に含まれる主要な細胞成分を正確に理解しているかを問う問題です。特に血小板が血漿と赤血球の間の薄い層(バフィーコート)に位置することを把握しているかが重要です。
混同注意
血小板が血漿中に均一に分散していると誤解したり、赤血球と同じように沈殿すると誤解したりする点が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、遠心分離の条件(Gと時間)によってバフィーコートの厚さや分離の精度が変化する可能性がある点を考慮に入れつつ、基本的な層状構造と主要成分の位置関係を再確認する必要があります。
関連知識
血液の構成成分(血漿、血球:赤血球、白血球、血小板)の正常な組成と、それぞれの物理的特性(密度、大きさ)。血液検査における遠心分離の原理と、血漿、血清、全血の違い。