有芽胞菌はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
芽胞形成菌は、特定の細菌が厳しい環境下で生存するために形成する非常に耐久性の高い構造を持つ菌です。主にバシラス属(Bacillus)とクロストリジウム属(Clostridium)の細菌が知られています。選択肢のBacillus anthracis(炭疽菌)はバシラス属に属し、芽胞を形成する代表的な菌です。他の選択肢の菌は芽胞を形成しません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。バシラス属(Bacillus)に属する細菌は、厳しい環境下で生存するために耐久性の高い芽胞を形成する能力を持っています。炭疽菌もその一つで、土壌中で芽胞として長く生存し、感染源となります。
- 2. 百日咳菌は芽胞を形成しません。グラム陰性桿菌であり、ヒトの上気道粘膜に定着して百日咳の原因となります。正しくは:百日咳菌は芽胞を形成しません。選びやすい理由:一般的な病原細菌ですが、芽胞形成菌であるかどうかは別の知識が必要です。混同注意:グラム陽性菌・陰性菌の分類や、他の特殊な構造を持つ菌と混同される可能性があります。
- 3. アクネ菌は芽胞を形成しません。これは皮膚の常在菌であり、ニキビの原因となるグラム陽性の嫌気性桿菌です。正しくは:アクネ菌は芽胞を形成しません。選びやすい理由:皮膚の病原菌として知られていますが、芽胞形成とは直接関連しません。混同注意:グラム陽性菌であるため、芽胞形成菌(多くの芽胞形成菌がグラム陽性であるため)と誤解される可能性がありますが、芽胞形成は特定の属に限定されます。
- 4. 肺炎桿菌は芽胞を形成しません。グラム陰性桿菌で、肺炎や尿路感染症などの原因となる代表的な腸内細菌科の細菌です。正しくは:肺炎桿菌は芽胞を形成しません。選びやすい理由:これも一般的な病原菌であり、抗菌薬耐性などで注目されることが多いですが、芽胞形成菌ではありません。混同注意:グラム陰性菌であるため、芽胞形成菌ではないと推測しやすいかもしれませんが、確実に判断するには知識が必要です。
- 5. モラクセラ・カタラーリスは芽胞を形成しません。グラム陰性球菌で、中耳炎や副鼻腔炎、下気道感染症の原因となることがあります。正しくは:モラクセラ・カタラーリスは芽胞を形成しません。選びやすい理由:呼吸器系の病原菌として知られていますが、芽胞形成の能力はありません。混同注意:連鎖球菌やブドウ球菌といった他のグラム陽性球菌と混同されやすいですが、芽胞形成とは関係ありません。
国試ポイント
細菌学の基本的な知識として、特定の重要な細菌が持つ特殊な構造や性質(特に芽胞形成能力)について問われることが多いです。芽胞形成菌の代表例(バシラス属、クロストリジウム属)を正確に覚えているかがポイントになります。また、学名と病原性の組み合わせも問われるため、学名から属名を判断できる能力も必要です。
混同注意
グラム陽性菌の多くは芽胞形成菌ではないこと、逆にグラム陰性菌は原則として芽胞形成しないこと、特定の属にのみ芽胞形成能があること。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、芽胞形成菌の代表的な属名(バシラス属、クロストリジウム属)が頭に浮かぶか、その属に属する具体的な菌名が挙げられるか、そしてそれらが引き起こす主要な疾患を関連付けて理解しているかを確認しましょう。
関連知識
芽胞の構造と機能(耐久性、休眠状態)、芽胞形成菌が引き起こす疾患(炭疽、破傷風、ボツリヌス症、ガス壊疽など)、芽胞の殺菌方法(オートクレーブなど)。