Cryptococcus neoformansとCryptococcus gattiiの共通の性状はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Cryptococcus neoformansとCryptococcus gattiiは、ともに病原性の酵母様真菌であり、ウレアーゼ産生能はCryptococcus属の共通かつ重要な生化学的特徴です。この酵素は尿素を加水分解してアンモニアを生成し、培地のpHを変化させることで検出されるため、臨床検査において本属の同定に広く利用されています。他の選択肢は、それぞれ異なる病原真菌に特徴的な形態や性状であり、Cryptococcus属には該当しません。
選択肢ごとの解説
- 1. Cryptococcus属は真の二形成性真菌ではありません。生体内でも環境中でも主に酵母形で存在します。正しくは:二形成性を示すのは、主にHistoplasma capsulatumやBlastomyces dermatitidisなどの深在性真菌です。選びやすい理由:一部の重要な病原真菌が二形成性を示すため、真菌の一般的な特徴と混同しやすいかもしれません。混同注意:Histoplasma capsulatum, Blastomyces dermatitidis, Coccidioides immitisなどの二形成性真菌。
- 2. 発芽管形成は、主にCandida albicansの迅速同定に用いられる特徴であり、Cryptococcus属では認められません。正しくは:Candida albicansは血清中で発芽管を形成します。選びやすい理由:酵母様真菌の形態として、発芽管という言葉自体は学習しているため、一般的な酵母の鑑別項目と捉えがちです。混同注意:Candida albicansの発芽管形成能。
- 3. 仮性菌糸の形成はCandida属、特にCandida albicansに特徴的な形態であり、Cryptococcus属は仮性菌糸をほとんど形成しません。正しくは:Candida albicansは仮性菌糸や真菌糸を形成します。選びやすい理由:真菌の形態として、菌糸や仮性菌糸という言葉は一般的であり、酵母様真菌の一般的な特徴として誤解しやすいかもしれません。混同注意:Candida albicansの仮性菌糸形成能。
- 4. 正解。Cryptococcus neoformansとCryptococcus gattiiは、両方ともウレアーゼを産生します。このウレアーゼ活性は、Cryptococcus属の重要な同定・鑑別試験の一つです。ウレアーゼは尿素を加水分解し、アンモニアと二酸化炭素に分解することで、培地のpHを上昇させることで検出されます。
- 5. Cryptococcus属は酵母であるため、分生子(特に分節型分生子)を形成しません。分節型分生子は、Coccidioides immitisやGeotrichum candidumなどの糸状菌の菌糸が分断して形成されるものです。正しくは:Coccidioides immitisやGeotrichum candidumなどが分節型分生子を形成します。選びやすい理由:真菌の繁殖形態として分生子という概念は広いため、特定の種類の分生子と混同しやすいです。混同注意:Coccidioides immitisなどの分節型分生子形成菌。
国試ポイント
Cryptococcus属(特にC. neoformansとC. gattii)の同定と鑑別に必要な特徴、特に生化学的性状と形態学について問われることが多いです。他の主要な病原真菌(Candida属、二形成性真菌、糸状菌など)との鑑別点も同時に理解しておく必要があります。
混同注意
Candida属との形態学的・生化学的鑑別点(発芽管、仮性菌糸、ウレアーゼ産生)。二形成性真菌(Histoplasma, Blastomycesなど)の定義とCryptococcusの形態。糸状菌が形成する分生子の種類(分節型分生子、厚膜胞子、小分生子、大分生子など)と酵母の生殖法(出芽)。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が問われた場合、Cryptococcus属の他の特徴(莢膜、フェノールオキシダーゼ産生、インド墨染色での検出など)や、Candida属とのさらなる鑑別点(Candida属の多くはウレアーゼ陰性)に注意して判断すると良いでしょう。また、各選択肢の形態や酵素活性がどの真菌に特異的であるかを正確に把握しておくことが重要です。
関連知識
Cryptococcus neoformansとC. gattiiの主な違い:C. neoformansは免疫不全宿主に多く、ハトの糞が主な感染源。C. gattiiは免疫健常者にも感染し、ユーカリの木が主な感染源。両種ともに莢膜を持つことが特徴で、インド墨染色で検出される。抗原検査(クリプトコックス抗原検出)は診断に重要。培養では、鳥の餌培地(Birdseed agar, Caffeic acid agar)で褐色のコロニーを形成することが特徴(フェノールオキシダーゼ産生による)。