喀痰のGram染色標本(別冊No. 14)を別に示す。考えられるのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
喀痰グラム染色標本では、多数の好中球と、その一部が貪食している青紫色のグラム陽性双球菌(やや長円形)が観察される。この所見は、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)による細菌性肺炎に特徴的であるため、最も考えられる原因菌はStreptococcus pneumoniaeである。
選択肢ごとの解説
- 1. Bacillus cereusはグラム陽性桿菌であり、本画像に見られるグラム陽性双球菌とは形態が異なるため誤りである。正しくは:グラム陽性桿菌。選びやすい理由:グラム陽性菌である点では共通しているが、桿菌であるため本画像とは一致しない。混同注意:他のグラム陽性菌、特に球菌との形態的な違い。
- 2. Corynebacterium diphtheriaeはグラム陽性桿菌であり、V字型や柵状配列を示すことが特徴であるが、本画像に見られるグラム陽性双球菌とは形態が異なるため誤りである。正しくは:グラム陽性桿菌で、特徴的な配列(V字、柵状)を示す。選びやすい理由:グラム陽性菌である点では共通しているが、桿菌であるため本画像とは一致しない。混同注意:他のグラム陽性菌、特に球菌との形態的な違い。
- 3. Staphylococcus aureusはグラム陽性球菌であるが、ブドウの房状に配列することが特徴である。本画像では双球菌として観察され、ブドウの房状配列ではないため誤りである。正しくは:グラム陽性球菌で、ブドウの房状に配列する。選びやすい理由:グラム陽性球菌という点では共通しているが、配列様式が異なるため誤り。混同注意:StaphylococcusとStreptococcusの配列様式の違い。
- 4. Streptococcus pyogenesはグラム陽性球菌で、連鎖状に配列することが特徴である。本画像では双球菌として観察されており、典型的な連鎖状配列ではないため誤りである。正しくは:グラム陽性球菌で、連鎖状に配列する。選びやすい理由:Streptococcus属である点、グラム陽性球菌である点で混同しやすいが、肺炎球菌特有の双球菌形態とは異なる。混同注意:肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)と化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)の形態的特徴(肺炎球菌は双球菌、化膿レンサ球菌は連鎖球菌)。
- 5. 正解。本画像では、多数の好中球と、その一部に貪食されている青紫色のグラム陽性双球菌が認められる。この形態学的特徴(グラム陽性、双球菌、やや長円形、細胞内貪食像)は肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)に典型的であり、喀痰検体における最も考えられる原因菌として適切である。選びやすい理由:肺炎の主要な原因菌であるため、画像所見と合致すれば強く疑われる。混同注意:グラム陽性球菌の他の連鎖球菌属。
国試ポイント
グラム染色標本の読影能力と、主要な起炎菌の形態的特徴の知識が問われている。
混同注意
グラム陽性球菌の類縁菌、特にブドウ球菌と連鎖球菌、および連鎖球菌の中での鑑別点。
次に同じ論点が出たら
グラム染色標本において、球菌の連鎖状配列(Streptococcus)、ブドウの房状配列(Staphylococcus)、あるいは双球菌の形態、グラム陽性か陰性か、さらに細胞内貪食像の有無を判断基準とする。
関連知識
肺炎球菌性肺炎は、市中肺炎の主要な原因菌であり、ワクチン接種が推奨されている。莢膜を有するため、グラム染色標本でやや肥大して見えることがある。