RNAウイルスはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
この問題は、主要なヒト病原ウイルスの基本的な分類、特にそのゲノムがRNAであるかDNAであるかを問うものです。コロナウイルスとインフルエンザウイルスはRNAウイルスであり、B型肝炎ウイルス、サイトメガロウイルス、ヒトパピローマウイルスはDNAウイルスです。臨床検査技師として、これらのウイルスのゲノムタイプを正確に理解することは、診断や治療戦略を考える上で不可欠です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。コロナウイルスは、一本鎖プラス鎖RNAをゲノムとして持つRNAウイルスに分類されます。重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)、COVID-19の原因となることで知られています。
- 2. B型肝炎ウイルスは、ゲノムとして部分二本鎖DNAを持つDNAウイルスです。肝炎を引き起こすウイルスの中でもDNA型とRNA型が存在するため、混同しやすい点です。正しくは:B型肝炎ウイルスはDNAウイルスである。選びやすい理由:肝炎ウイルスにはRNA型のA型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスも存在するため、同じ肝炎を起こすウイルスとしてRNA型と誤認しやすいです。混同注意:A型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルス(いずれもRNAウイルス)と混同しやすいです。
- 3. サイトメガロウイルスはヘルペスウイルス科に属し、二本鎖DNAをゲノムとして持つDNAウイルスです。日和見感染の原因として重要です。正しくは:サイトメガロウイルスはDNAウイルスである。選びやすい理由:ヘルペスウイルス科のウイルスは多岐にわたり、名称だけではゲノムの種類を判断しにくい場合があります。混同注意:他のDNAウイルス、特にヘルペスウイルス科に属する単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスなどとはゲノムの種類は共通していますが、RNAウイルスとの区別は重要です。
- 4. 正解。インフルエンザウイルスは、分節型のマイナス鎖RNAをゲノムとして持つRNAウイルスです。A型、B型、C型があり、特にA型とB型が季節性インフルエンザの主な原因となります。
- 5. ヒトパピローマウイルスは、環状二本鎖DNAをゲノムとして持つDNAウイルスです。子宮頸がんや尖圭コンジローマの原因として知られています。正しくは:ヒトパピローマウイルスはDNAウイルスである。選びやすい理由:がん原性を持つウイルスとして有名ですが、そのゲノムがDNAであることまで意識されていないと誤ってRNAウイルスと判断してしまう可能性があります。混同注意:性感染症を引き起こす他のウイルス(例: HIVはRNAウイルス、単純ヘルペスウイルスはDNAウイルス)と混同しやすいことがあります。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、主要な病原微生物、特にウイルスについて、その基本的な生物学的特性(ゲノムの種類、エンベロープの有無、複製様式など)と、それらが引き起こす疾患との関連性が頻繁に出題されます。代表的なウイルスの分類を正確に覚えているかが問われる典型的な問題です。
混同注意
肝炎ウイルス(B型はDNA、C型はRNA)、ヘルペスウイルス科(すべてDNA)、呼吸器感染症を引き起こすウイルス群(コロナ、インフルエンザはRNA、アデノウイルスはDNA)のように、同じ疾患群に属しながらゲノムタイプが異なるウイルス群や、似たような名称のウイルスが存在するため、注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次回同様の論点が出題された場合、選択肢に挙げられたウイルスのゲノムの種類だけでなく、エンベロープの有無、主な感染経路、または引き起こす疾患名を併せて問われる可能性があります。主要なウイルスについては、これらの情報をセットで記憶しておくことが重要です。
関連知識
ウイルスの分類(ボルティモア分類)、DNAウイルスとRNAウイルスのゲノム複製戦略の違い、主要なウイルスのエンベロープの有無、ウイルス感染症の病態生理。