蛋白合成阻害薬はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
アミカシンはアミノグリコシド系、ミノサイクリンはテトラサイクリン系の抗菌薬であり、どちらも細菌の30Sリボソームサブユニットに作用してタンパク質合成を阻害します。アミノグリコシド系はmRNAの誤読を誘発し、テトラサイクリン系はアミノアシルtRNAの結合を阻害することで効果を発揮します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。アミカシンはアミノグリコシド系抗菌薬であり、細菌の30Sリボソームサブユニットに結合してタンパク質合成を阻害します。
- 2. ダプトマイシンは環状リポペプチド系抗菌薬であり、細菌の細胞膜に挿入され膜電位を脱分極させることで、タンパク質合成だけでなくDNAやRNA合成も阻害します。直接的なタンパク質合成阻害薬とは異なります。正しくは:ダプトマイシンは細菌の細胞膜を損傷することで殺菌作用を発揮します。選びやすい理由:抗菌薬であるため、他の一般的な抗菌薬作用と混同しやすいかもしれません。混同注意:他の抗菌薬の作用機序(例:細胞壁合成阻害、DNA合成阻害)
- 3. バンコマイシンはグリコペプチド系抗菌薬であり、細菌の細胞壁合成を阻害します。具体的には、ペプチドグリカン前駆体のD-Ala-D-Ala末端に結合し、架橋形成を妨げます。正しくは:バンコマイシンは細菌の細胞壁合成を阻害します。選びやすい理由:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の治療薬として有名であり、その広範な抗菌スペクトルから、作用機序を深く理解していなければ誤解する可能性があります。混同注意:細胞壁合成阻害薬であるペニシリン系やセファロスポリン系との比較
- 4. 正解。ミノサイクリンはテトラサイクリン系抗菌薬であり、細菌の30Sリボソームサブユニットに結合し、アミノアシルtRNAの結合を阻害することでタンパク質合成を抑制します。
- 5. シプロフロキサシンはフルオロキノロン系抗菌薬であり、細菌のDNAジャイレース(トポイソメラーゼII)およびトポイソメラーゼIVを阻害することで、DNA複製や転写を妨げます。これはタンパク質合成阻害とは異なります。正しくは:シプロフロキサシンは細菌のDNA合成を阻害します。選びやすい理由:広範囲のスペクトルを持つ抗菌薬であり、作用機序の正確な知識がなければ間違えやすいです。混同注意:他の核酸合成阻害薬(例:リファンピシンによるRNAポリメラーゼ阻害)
国試ポイント
抗菌薬の作用機序に関する問題は、国家試験で頻繁に出題されます。特に、細胞壁合成阻害、タンパク質合成阻害、核酸合成阻害、細胞膜機能阻害といった主要な分類と、それぞれの代表的な薬剤名を正確に紐付けて理解しているかが問われます。リボソームのどのサブユニット(30Sか50Sか)に作用するかまで問われることもあります。
混同注意
タンパク質合成阻害薬の中でも、30Sリボソームに作用するアミノグリコシド系・テトラサイクリン系と、50Sリボソームに作用するマクロライド系・リンコマイシン系・クロラムフェニコール系との区別。また、細胞壁合成阻害薬(ペニシリン、セファロスポリン、バンコマイシンなど)や核酸合成阻害薬(ニューキノロン、リファンピシンなど)と作用機序を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他のタンパク質合成阻害薬(例:マクロライド系、リンコマイシン系、クロラムフェニコール系)や、他の主要な作用機序(細胞壁合成阻害、核酸合成阻害、細胞膜機能阻害)を持つ代表的な薬剤名と、それぞれの具体的な作用点を正確に思い出せるかを確認すると良いでしょう。特に、50Sリボソームに作用する薬剤も整理しておくことが重要です。
関連知識
抗菌薬の作用機序は、選択毒性の概念を理解する上で重要です。細菌とヒトの細胞構造(特にリボソームのサブユニット構成)の違いを利用して、細菌には毒性を示すがヒトには影響が少ないように設計されています。また、抗菌薬の副作用プロファイルも、その作用機序に関連することが多いです。