血液型の亜型について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
日本人におけるABO血液型の亜型のうち、B亜型(Bw、Bx、Bmなど)は他のA亜型やO亜型と比較して報告例が多く、最も頻繁に観察される亜型の一つです。これは、特定の遺伝子変異によってB抗原の発現が通常よりも弱い、あるいは質的に異なるために生じます。例えば、Bw型ではB抗原が弱く発現し、抗B試薬との反応が弱くなります。
選択肢ごとの解説
- 1. RhD陰性は、RhD抗原が全く発現しない状態を指し、Rh式血液型における主要な分類の一つであり、亜型とは区別されます。亜型は、主要な抗原が量的に少ない、質的に異なるなど、標準的な表現型とは異なる稀な型を指します。正しくは:RhD陰性はRh式血液型における主要な表現型であり、亜型ではありません。RhD抗原の量が極めて少ないDweakやDpartial(Dvar)などがRhDの亜型に分類されます。選びやすい理由:「陰性」という言葉が「少ない」「通常と異なる」というイメージと結びつきやすく、亜型の定義と混同しやすい。混同注意:RhD陽性/陰性の主要な分類と、DweakやDpartialなどのRhD亜型。
- 2. 後天性B型は、大腸癌などの特定の疾患や腸内細菌叢の変化により、A型またはO型の赤血球表面にB様抗原が発現する現象であり、遺伝子変異に起因する遺伝性の血液型亜型とは異なります。正しくは:後天性B型は、消化器疾患などに伴い赤血球膜に変化が生じることでB様抗原が発現するものであり、遺伝性の亜型ではありません。選びやすい理由:「後天性」という言葉が「通常と異なる」というイメージに繋がり、亜型の一種であると誤解しやすい。混同注意:遺伝性のABO亜型(A亜型、B亜型)と、後天的に血液型抗原が変化する現象(後天性B型、獲得性B抗原)。
- 3. 正解。日本人におけるABO血液型の亜型では、B亜型(Bw、Bx、Bmなど)が他のA亜型やO亜型と比較して最も頻繁に見られることが報告されています。選びやすい理由:特定の知識が問われるため、知っていれば正答できる。混同注意:A亜型やO亜型など、他のABO亜型の頻度。
- 4. cisAB型は、ABO遺伝子の対立遺伝子が同じ染色体上に存在する遺伝子配列の特殊なパターン(cis配置)によって出現するものであり、突然変異によって生じるものではありません。親から子へ遺伝する遺伝形式です。正しくは:cisAB型は、ABO遺伝子の特殊な遺伝子配置(cis配置)によって出現するものであり、突然変異によるものではありません。選びやすい理由:「稀な型」という情報から、「突然変異」という言葉が想起されやすく、原因を混同しやすい。混同注意:遺伝子の突然変異による新たな遺伝子型の出現と、既存の遺伝子の特殊な配置による遺伝形式。
- 5. 血液型亜型の出現頻度は非常に稀であり、全体で約1%という数字は高すぎます。ABO血液型だけでも亜型は多岐にわたり、個々の亜型はさらに稀です。例えば、A亜型やB亜型の総計でも0.1%以下、非常に稀なものはさらに低い頻度です。正しくは:血液型亜型の出現頻度は非常に稀であり、通常は0.1%以下、あるいはそれよりもさらに低い頻度です。選びやすい理由:正確な頻度を知らない場合に、なんとなく「稀な型」という情報からそれらしい数字を選んでしまいやすい。混同注意:一般的な血液型の頻度(例:A型約40%、O型約30%)と、稀な亜型の頻度。
国試ポイント
ABO血液型亜型の種類、特徴、日本人における頻度、および輸血関連の臨床的意義を理解する。
混同注意
通常のRhD陰性と、稀な亜型であるDELやDvarなどのRhD亜型との区別。後天性B型と遺伝性B亜型との区別。
次に同じ論点が出たら
血液型亜型に関する問題では、その定義、遺伝形式、検出方法、日本人における頻度、および輸血時の注意点に注目して判断する。
関連知識
ABO亜型は、抗原量が少ない、抗原の質が異なる、あるいは抗原の糖鎖構造が不完全であるために生じる。輸血時には不規則抗体の有無と合わせて慎重な対応が必要となる。また、cisAB型はABO遺伝子の対立遺伝子として片方の染色体上にAとBの遺伝子が存在する特殊な遺伝形式であり、突然変異とは異なる。