補体成分C3bの作用について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
補体成分C3bは、細菌やウイルスなどの異物表面に結合する強力なオプソニン(食作用促進物質)として機能します。この結合により、マクロファージや好中球などの食細胞が持つC3b受容体(CR1)を介して異物を認識しやすくなり、効率的な貪食が促進されます。これは液性免疫と細胞性免疫の連携において非常に重要な役割です。
選択肢ごとの解説
- 1. 好中球の遊走(移動)を促進するのは、主にC5aや細菌由来のN-ホルミルメチオニンペプチドなどの化学走化性因子です。C3b自体には直接的な遊走作用はありません。正しくは:C5aや細菌由来のN-ホルミルメチオニンペプチドなどが好中球の遊走を促進する。選びやすい理由:補体の一部が炎症反応に関わるため、遊走も関連すると誤解しやすい。混同注意:C5aの遊走作用と混同しやすい。
- 2. 正解。C3bはオプソニンとして機能し、細菌などの異物表面に結合することで、好中球やマクロファージが持つC3b受容体(CR1)を介してこれらの異物を認識し、効率的な貪食を促進します。これはオプソニン化作用と呼ばれます。
- 3. リソソーム酵素の放出は、主に炎症刺激や補体活性化の最終段階で細胞膜が損傷する際や、貪食時に起こる現象であり、C3bの直接的な主要作用ではありません。C5aは好中球に脱顆粒を促すことがありますが、C3bではありません。正しくは:好中球からのリソソーム放出は、貪食時や強い炎症刺激、またはC5aによって一部誘発される。選びやすい理由:補体活性化が炎症反応に関わるため、リソソーム放出も関連すると誤解しやすい。混同注意:C5aの脱顆粒作用や、貪食に伴う酵素放出と混同しやすい。
- 4. アナフィラトキシンとして作用するのは、主にC3a、C4a、C5aです。これらは肥満細胞や好塩基球に作用してヒスタミンなどを放出し、血管透過性亢進や平滑筋収縮を引き起こします。C3bにはこの作用はありません。正しくは:C3a、C4a、C5aがアナフィラトキシンとして働く。選びやすい理由:C3bが補体活性化経路の重要な分子であるため、アナフィラトキシン作用もあると誤解しやすい。混同注意:C3aとC3bの混同、またはC5aとの混同。
- 5. C3bは主に食細胞の貪食促進に関与します。Bリンパ球にはC3b受容体(CR1)が存在し、C3bが結合した抗原を効率的に取り込むことで抗原提示を助け、抗体産生を間接的にサポートしますが、「抗体産生を亢進させる」という直接的な表現は適切ではありません。また、C3dはB細胞の活性化に関与しますが、C3bとは異なります。正しくは:Bリンパ球上のC3b受容体(CR1)が、C3b結合抗原の取り込みを助け、抗原提示を促進することで、抗体産生を間接的に補助する。選びやすい理由:補体が液性免疫に関わるため、リンパ球への直接作用や抗体産生促進を連想しやすい。混同注意:C3dのB細胞活性化作用や、C3bが抗原提示を補助する間接的な役割と混同しやすい。
国試ポイント
補体カスケードにおける各補体成分(特にC3a, C3b, C5a, C5b-9)の具体的な機能、特にオプソニン作用、アナフィラトキシン作用、化学走化性作用、細胞溶解作用を正確に理解しているかを問う問題です。C3bのオプソニン作用は頻出です。
混同注意
C3a(アナフィラトキシン作用)、C5a(アナフィラトキシン作用、化学走化性作用)とC3bの作用を混同しやすい。また、C3bのB細胞への間接的な影響(抗原取り込み補助)と、直接的な抗体産生亢進作用を混同する可能性があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、各補体成分が「食細胞」「肥満細胞」「血管」「標的細胞」のどれに作用し、結果として「貪食」「ヒスタミン放出」「血管透過性亢進」「細胞溶解」などのどの生理作用を引き起こすのかを明確に区別できているかを確認します。
関連知識
補体カスケードの古典経路、副経路、レクチン経路の活性化、膜侵襲複合体(MAC)の形成、補体制御因子(例:因子H、因子I)による調節。食細胞のC3b受容体(CR1)、FC受容体によるオプソニン作用の比較。