院内の医療安全を確保するための措置に含まれないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
医療安全管理の主たる目的は、医療事故を未然に防ぎ、万が一発生した場合には、その原因を多角的に分析し、再発防止策を講じることです。個別の職員に対する懲戒処分は、再発防止のための要因分析を阻害し、報告文化を損なう可能性があります。重要なのは、個人を特定して罰することよりも、システム全体の問題点を洗い出し、改善していく「システム思考」に基づくアプローチです。
選択肢ごとの解説
- 1. ヒヤリ・ハット事例の収集は、医療事故の予防と再発防止のための重要な情報源であり、医療安全対策の基本です。正しくは:この選択肢は適切なので、修正の必要はありません。選びやすい理由:医療安全対策として直感的に正しい行動であるため、不適切なものを選ぶ問題では選択されにくいでしょう。混同注意:ヒヤリ・ハットと医療事故の区別がないと、その重要性を見落とす可能性はあります。
- 2. 職員研修は、医療安全に関する知識や意識を高め、事故防止能力を向上させるために不可欠な要素です。正しくは:この選択肢は適切なので、修正の必要はありません。選びやすい理由:医療安全に職員教育が重要であることは広く認識されており、不適切なものとして選ぶことは少ないでしょう。混同注意:教育の効果がすぐに現れないため、その重要性を軽視する可能性は考えられますが、基本的には正しい対策です。
- 3. 正解。医療安全管理の目的は、事故を未然に防ぎ、発生した場合には原因を究明して再発を防止することです。個人の懲罰は、原因究明を妨げ、再発防止策の立案を困難にする可能性があります。重要なのは、個人を責める「犯人探し」ではなく、システムの問題点を見つけ、改善することです。もちろん、意図的な過失や重大な職務怠慢には懲戒処分もあり得ますが、医療安全の基本的なアプローチとは異なります。正しくは:医療過誤が発生した場合、重要なのは懲戒処分よりも、その原因を究明し、再発防止のためのシステム改善を行うことです。選びやすい理由:過誤を犯した者への懲罰は、一見すると責任を明確にするために必要だと感じるかもしれません。しかし、医療安全の視点からは、システム全体の問題として捉え、改善することが最優先されます。混同注意:個人の責任追及と、組織的な安全管理のアプローチを混同しやすいです。医療安全は個人を責めるのではなく、システム改善に焦点を当てます。
- 4. 患者氏名確認は、医療現場における人違い事故を防ぐための最も基本的な安全確認の一つであり、医療安全の重要な柱です。正しくは:この選択肢は適切なので、修正の必要はありません。選びやすい理由:日常的に行われる基本的な安全確認であり、医療安全対策として疑いようがないため、誤りとして選択することは稀でしょう。混同注意:ルーティンワークとして軽視されがちですが、その重要性は非常に高いです。
- 5. 医療事故発生後の原因究明は、同様の事故の再発を防ぐための重要なステップであり、医療安全管理体制の中核をなす活動です。正しくは:この選択肢は適切なので、修正の必要はありません。選びやすい理由:事故後の原因究明は医療安全において極めて重要であるため、誤りとして選択されることはないでしょう。混同注意:原因究明と責任追及を混同することがありますが、医療安全の観点からは、責任追及よりもシステム改善のための原因特定が重視されます。
国試ポイント
医療安全に関する基本的な考え方(懲罰主義からシステム改善主義への転換)が理解できているかを問う問題です。個人の責任追及が医療安全の主目的ではないことを認識しているかがポイントとなります。
混同注意
医療安全における「個人の責任」と「組織的なシステム改善」のバランスについて混同しやすいです。重大な過失には懲戒もありえますが、医療安全の根本的な考え方とは異なります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出た場合、医療事故発生時の対応として「個人を罰すること」ではなく「システム的な原因を分析し改善すること」が医療安全の核であることを確認しましょう。
関連知識
医療安全推進のための体制(医療安全管理者、医療安全委員会)、リスクマネジメント、インシデント・アクシデントレポート制度、根本原因分析(RCA)、FMEA(Failure Mode and Effect Analysis)などの手法。