輸血副反応と原因の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
輸血関連急性肺障害(TRALI)は、輸血された血液製剤中に含まれる抗白血球抗体(特にHLA抗体や好中球特異抗体)が患者の白血球と反応し、肺毛細血管内皮を傷害することで非心原性肺水腫を来す重篤な輸血副作用です。
選択肢ごとの解説
- 1. C型肝炎は、HCVウイルスに汚染された血液製剤の輸血が原因であり、輸血用血液製剤中のリンパ球自体が直接の原因ではありません。現在の献血スクリーニングではHCV検査が実施されており、感染リスクは極めて低いです。正しくは:C型肝炎 — 輸血用血液製剤中のC型肝炎ウイルス選びやすい理由:リンパ球は免疫細胞であり、ウイルス感染症と関連があるように思えるため。混同注意:輸血後GVHD(リンパ球が関与)や、その他のウイルス性肝炎の病態との混同。
- 2. 血管内溶血は、主にABO血液型不適合輸血などにより患者の抗体が輸血された赤血球を攻撃し、補体系が活性化されることで生じます。輸血用血液製剤中の補体自体が原因ではありません。正しくは:血管内溶血 — 患者の抗体と輸血された赤血球の反応による補体活性化選びやすい理由:補体は溶血反応に関与するため、直接の原因と誤解しやすい。混同注意:補体が関与する他の免疫反応、例えば自己免疫性溶血性貧血など。
- 3. 輸血後GVHD(移植片対宿主病)は、輸血された血液製剤中のリンパ球(特にTリンパ球)が、免疫不全患者やHLA型が部分的に適合する患者の宿主組織を攻撃することで発生します。不規則抗体は赤血球に対する抗体であり、GVHDの主な原因ではありません。正しくは:輸血後GVHD — 輸血用血液製剤中のリンパ球選びやすい理由:不規則抗体は輸血関連の免疫学的副作用(遅発性溶血性輸血反応など)の原因となるため、輸血副作用全般の原因として混同しやすい。混同注意:遅発性溶血性輸血反応(不規則抗体が原因)や、移植片拒絶反応(患者の免疫細胞が移植片を攻撃)との混同。
- 4. 輸血関連循環過負荷(TACO)は、急速な輸血や過剰な輸血により循環血液量が増加し、心臓に過大な負荷がかかることで肺水腫を引き起こす状態です。抗内皮細胞抗体は特定の自己免疫疾患などで見られますが、TACOの直接的な原因ではありません。正しくは:輸血関連循環過負荷(TACO) — 急速な輸血や過剰な輸血による循環血液量増加選びやすい理由:抗体という言葉から免疫学的機序を想起し、特定の輸血副作用と結びつけやすい。混同注意:TRALI(免疫学的機序による肺水腫)や、特定の自己免疫疾患の病態との混同。
- 5. 正解。TRALIは、輸血製剤中の抗白血球抗体(主に抗HLA抗体や抗好中球抗体)が患者の白血球と反応し、肺毛細血管内皮を傷害することで発症する非心原性肺水腫です。選びやすい理由:他の選択肢が誤りであることが明確な場合に、消去法で正しいと判断しやすい。混同注意:TACO(輸血関連循環過負荷)は呼吸困難を主症状とする点でTRALIと類似しているため、鑑別が重要です。
国試ポイント
輸血副作用の種類、症状、および原因・機序を正確に理解し、それぞれの組み合わせを識別できるようにすること。
混同注意
TRALIとTACO(輸血関連循環過負荷)は症状が類似しているため混同しやすいが、機序が異なる。TRALIは免疫学的機序による肺傷害、TACOは循環血液量増加による心負荷増大である。
次に同じ論点が出たら
輸血後呼吸困難を呈した場合、非心原性肺水腫を示唆する所見(心拡大なし、BNP正常など)があればTRALIを疑い、心原性肺水腫を示唆する所見(心拡大あり、BNP高値など)があればTACOを疑う。
関連知識
C型肝炎はウイルス感染症であり、輸血後GVHDはTリンパ球が患者を攻撃する免疫反応、血管内溶血はABO不適合輸血などによる赤血球破壊である。