滲出性胸水の所見はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
滲出性胸水の診断にはLightの基準が用いられることが多く、その中に「胸水LDH/血清LDH比 > 0.6」という項目があります。選択肢4の「LDH比(胸水/血清)0.8」はこの基準を満たしており、滲出性胸水に合致する所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. 滲出性胸水は炎症や悪性腫瘍などが原因で生じ、タンパク質や細胞成分が豊富に含まれるため、一般的に混濁しています。無色透明は漏出性胸水に多い特徴です。正しくは:滲出性胸水は、通常、混濁していることが多い。選びやすい理由:胸水は一般的に透明なイメージがあるため。混同注意:漏出性胸水と混同しやすい。
- 2. 滲出性胸水はタンパク質や細胞成分が多いため、比重が高くなります。比重1.010以下は漏出性胸水の目安です。正しくは:滲出性胸水の比重は1.018以上が一般的である。選びやすい理由:比重の値自体は覚えていても、どちらの胸水に対応するか混同しやすい。混同注意:漏出性胸水の比重と混同しやすい。
- 3. 滲出性胸水では炎症や腫瘍細胞の浸潤があるため、細胞数が増加します。50/μL以下は漏出性胸水の目安であり、滲出性胸水では通常1,000/μL以上になることが多いです。正しくは:滲出性胸水の細胞数は通常1,000/μL以上であることが多い。選びやすい理由:細胞数が多いというイメージがあるが、具体的なカットオフ値を正確に覚えていない場合。混同注意:漏出性胸水の細胞数と混同しやすい。
- 4. 正解。滲出性胸水の診断基準の一つとして、胸水LDH/血清LDH比が0.6を超えることが挙げられます。0.8はこの基準を満たしており、滲出性胸水の特徴と一致します。正しくは:この記述は正しい。選びやすい理由:LDH比の基準値が曖昧だと判断に迷う可能性がある。混同注意:他の検査項目や漏出性胸水の基準値と混同しやすい。
- 5. 滲出性胸水はタンパク質が豊富に含まれるため、胸水/血清総タンパク比は高くなります。0.2は漏出性胸水の目安(0.5未満)であり、滲出性胸水では0.5以上が特徴です。正しくは:胸水と血清の総タンパク比は0.5以上であることが滲出性胸水の特徴である。選びやすい理由:タンパク比の基準値が曖昧だと判断に迷う可能性がある。混同注意:漏出性胸水のタンパク比と混同しやすい。
国試ポイント
滲出性胸水と漏出性胸水の鑑別基準(特にLightの基準)に関する知識が問われています。比重、細胞数、タンパク質濃度、LDH活性などの主要な検査項目の基準値を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
漏出性胸水の各種検査値と滲出性胸水の検査値が混同しやすい。特に、LDH比やタンパク比のカットオフ値(0.6や0.5)を正確に覚えていないと誤答につながる。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、Lightの基準の3項目(総タンパク比、LDH比、胸水LDH値絶対値)だけでなく、比重、細胞数、ブドウ糖、pH、病原因子(結核、悪性腫瘍など)によって変化する他のマーカーについても確認する。
関連知識
Lightの基準(胸水タンパク/血清タンパク > 0.5、胸水LDH/血清LDH > 0.6、胸水LDH > 血清LDH基準値上限の2/3)、胸水の細胞学的検査(悪性細胞の有無)、アデノシンデアミナーゼ(ADA)などの特異的検査。