分光光度計から得られる吸光度で正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
吸光度はランベルト・ベールの法則(Lambert-Beer law: A = εbc)に従います。ここで、Aは吸光度、εはモル吸光係数、bは光路長、cは濃度を示します。この法則により、吸光度は溶液中の目的成分の濃度に正比例し、また光が通過する溶液の光路長にも正比例します。
選択肢ごとの解説
- 1. 吸光度は理論上0から無限大までの値を取り得ます。実際には0から2程度の範囲で測定されることが多いですが、1を超えることもあります。正しくは:その値は0以上の範囲をとる。選びやすい理由:透過率が0から1の範囲であるため、混同しやすいです。混同注意:透過率(Transmittance)の値の範囲。
- 2. 吸光度は透過率の常用対数の負の値(A = -log10T)で定義されます。単純な逆数(1/T)ではありません。正しくは:透過率の常用対数の負の値として定義される。選びやすい理由:透過率と関連があることは記憶しているが、正確な数学的関係を混同している場合に選びやすいです。混同注意:吸光度と透過率の間の正確な数学的関係。
- 3. 溶液に混濁があると、光の散乱が起こり、検出器に到達する光量が減少するため、見かけ上の吸光度は増加します。真の吸光度は光の吸収によるものです。正しくは:溶液に混濁があると、その値は見かけ上高くなる傾向がある。選びやすい理由:「透明でない=光を通しにくい」という直感から、吸光度が低くなる(光が吸収されにくい)と誤解しやすいです。混同注意:光の吸収による吸光度と、光の散乱による見かけの吸光度。
- 4. 正解。ランベルト・ベールの法則(A = εbc)により、吸光度 (A) は、一定のモル吸光係数 (ε) と光路長 (b) のもとで、溶液の濃度 (c) に直接比例します。
- 5. 正解。ランベルト・ベールの法則(A = εbc)により、吸光度 (A) は、一定のモル吸光係数 (ε) と濃度 (c) のもとで、光が通過する溶液の光路長 (b) に直接比例します。
国試ポイント
分光光度計の基本原理であるランベルト・ベールの法則に関する理解度が問われています。特に、吸光度と濃度、光路長の関係、そして吸光度の物理的な特性(範囲、透過率との関係、混濁の影響)について正確な知識が求められます。
混同注意
吸光度と透過率の定義や関係(対数関係 vs. 逆数)、吸光度の値の範囲、そして混濁による見かけの吸光度増加と実際の吸収による吸光度を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、ランベルト・ベールの法則の適用範囲(低濃度範囲でのみ成立するなど)や、測定誤差の原因(散乱、蛍光、温度変化など)について問われる可能性があります。また、具体的な計算問題が出題されることも考えられます。
関連知識
ランベルト・ベールの法則の定義と各記号の意味。透過率(Transmittance)と吸光度(Absorbance)の定義および数学的関係(A = -log10T)。分光光度計の基本的な構造と原理。光の吸収と散乱の違い。モル吸光係数(Molar absorptivity)の意義。