日本臨床化学会〈JSCC〉勧告法で合成基質が使用されているのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
日本臨床化学会(JSCC)の勧告法において、アルカリホスファターゼ(ALP)の測定にはp-ニトロフェニルリン酸が、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)の測定にはL-γ-グルタミル-3-カルボキシ-4-ニトロアニリド(GlupaCNA)が、それぞれ合成基質として用いられます。これに対し、CK、LD、ASTの測定には天然基質が用いられます。
選択肢ごとの解説
- 1. CK測定のJSCC勧告法では、クレアチンリン酸とADPが天然基質として使用されます。合成基質は用いられません。正しくは:CK測定ではクレアチンリン酸とADPが使用されます。選びやすい理由:酵素測定は多くの種類があり、それぞれの基質を正確に覚えるのが難しいため、誤って選択しやすいです。混同注意:他の酵素の合成基質と混同する可能性があります。
- 2. LD測定のJSCC勧告法では、ピルビン酸とNADH、または乳酸とNAD+が天然基質として使用されます。合成基質は使用されません。正しくは:LD測定ではピルビン酸とNADH、または乳酸とNAD+が使用されます。選びやすい理由:広く測定される酵素であり、誤って合成基質を使用すると考えてしまうかもしれません。混同注意:他の酵素測定に使用される補酵素や基質と混同する可能性があります。
- 3. 正解。ALP測定のJSCC勧告法では、合成基質であるp-ニトロフェニルリン酸(p-NPP)が使用され、ALPによって加水分解されてp-ニトロフェノールが生成されます。
- 4. AST測定のJSCC勧告法では、L-アスパラギン酸とα-ケトグルタル酸が天然基質として使用されます。合成基質は用いられません。正しくは:AST測定ではL-アスパラギン酸とα-ケトグルタル酸が使用されます。選びやすい理由:ASTはCKと並び、重要な臨床酵素であるため、関連する情報と混同しやすいです。混同注意:ALTの基質(L-アラニンとα-ケトグルタル酸)や、他のアミノ基転移酵素の基質と混同しやすいです。
- 5. 正解。γ-GT測定のJSCC勧告法では、合成基質であるL-γ-グルタミル-3-カルボキシ-4-ニトロアニリド(GlupaCNA)が使用されます。
国試ポイント
臨床検査の酵素活性測定におけるJSCC勧告法の基本事項、特に各酵素測定に使用される基質が天然基質か合成基質かについて問う問題です。主要な酵素の測定原理とその基質を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
多くの酵素測定法があり、それぞれの基質(特に天然基質と合成基質)を混同しやすいです。また、補酵素や検出試薬と基質を混同する可能性もあります。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出題された場合、他の酵素(例:アミラーゼ、リパーゼなど)の測定におけるJSCC勧告法での基質(特に合成基質の使用の有無)が問われる可能性があります。また、JSCC勧告法以外の測定法(例:国際臨床酵素委員会(IFCC)勧告法)との比較や、測定試薬の組成に関する知識も確認すべき点となります。
関連知識
各酵素の生理的役割、臨床的意義、測定原理、反応形式(連続測定法、終点法など)、阻害剤や活性化剤、測定における妨害物質など。特に主要な酵素(AST, ALT, ALP, CK, LD, γ-GT, Amylaseなど)についてはJSCC勧告法に基づく詳細な知識が求められます。