細胞診検体の種類と塗抹法の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
喀痰はその粘稠な性状から、細胞を均等に広げ、粘液成分から分離させるために、2枚のスライドガラスを用いて擦り合わせる「すり合わせ法」が適切な塗抹法として広く用いられます。これにより、痰中に散在する細胞を効率よく採取し、病理診断に適した標本を作成できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 胸水のような体腔液は、一般的に遠心分離後に沈渣を直接塗抹するか、サイトスピン法を用いて細胞をスライドガラスに固定します。捺印法は主に組織や生検材料に対して用いられる方法です。正しくは:胸水 - 直接塗抹法またはサイトスピン法選びやすい理由:体腔液でも細胞の付着を良くするために特殊な方法が必要と誤解するかもしれない。混同注意:「捺印」という言葉から、細胞をスライドに押し付ける一般的なイメージと混同する可能性がある。
- 2. リンパ節は組織塊であるため、細胞診検体としては通常、穿刺吸引細胞診(FNA)によって得られた細胞を直接塗抹するか、または組織生検材料からの捺印法が用いられます。圧挫法は通常、脳腫瘍などの軟らかい組織から細胞を得る際に用いられる特殊な塗抹法です。正しくは:リンパ節 - 穿刺吸引細胞診塗抹法または捺印法選びやすい理由:リンパ節も柔らかい組織と誤解し、圧挫法が適用されると考えるかもしれない。混同注意:組織から細胞を得る「圧」をかける手法全般と「圧挫法」を混同する可能性がある。
- 3. 尿検体は細胞密度が低く、細胞変性も起こりやすいため、通常は遠心分離後に沈渣を塗抹するか、または細胞固定液を用いて細胞の損失や変性を防ぎます。直接塗抹法は、細胞が豊富で迅速な観察が必要な場合に限られることがあります。正しくは:尿 - 遠心沈渣塗抹法選びやすい理由:液体検体だからそのまま塗抹すれば良いと考えるかもしれない。混同注意:「直接塗抹」という表現が、特別な処理をしないという意味で、他の液体検体にも適用されると誤解する可能性がある。
- 4. 正解。喀痰は粘稠な性質を持つため、細胞を均一に分散させてスライドガラスに塗抹するために、2枚のスライドガラスですり合わせる「すり合わせ法」が一般的に用いられます。これにより、粘液中に埋もれた細胞も効果的に採取・観察できます。正しくは:この選択肢は正しい。選びやすい理由:喀痰の粘稠性を考慮した特殊な塗抹法があることを知らないと、他の一般的な塗抹法を選んでしまうかもしれない。混同注意:「すり合わせ法」という具体的な名称を知らない場合、他の選択肢に目が行きがちになる。
- 5. 脳腫瘍のような軟らかく脆い組織から細胞診検体を得る際には、圧挫法が一般的に用いられます。引きガラス法(通常は血液塗抹で用いられる「引き伸ばし法」と類似)は、組織からは適切な細胞が得られにくいです。正しくは:脳腫瘍 - 圧挫法選びやすい理由:「引きガラス」という言葉から、スライドガラスを使って細胞を広げる一般的な塗抹法を連想するかもしれない。混同注意:血液塗抹の引き伸ばし法と混同しやすい。
国試ポイント
細胞診において、検体の物理的性質(液体、粘稠物、組織塊など)に応じて最適な塗抹法が異なることを理解しているかが問われる問題です。特に、それぞれの検体特性と塗抹法の具体的な名称を結びつけて覚える必要があります。
混同注意
多くの塗抹法がある中で、名称と対象検体・手順が混同しやすい。特に、捺印法と圧挫法、そして液体検体の直接塗抹と沈渣塗抹の違い。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各検体の物理的特性をまず考慮し、それに最も適した塗抹法を判断する練習が必要です。
関連知識
細胞診の基本手技、体腔液の処理、穿刺吸引細胞診、組織からの捺印法、圧挫法、各種液体検体の処理法。