濃染顆粒に含まれるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
血小板にはα顆粒と濃染顆粒(δ顆粒)という2種類の主要な顆粒が存在し、それぞれ異なる内容物を貯蔵しています。濃染顆粒には主にアデニンヌクレオチド(ADP、ATP)、セロトニン、カルシウムイオンなどが含まれており、これらは血小板の活性化や凝集に重要な役割を果たします。ADPとセロトニンは、血小板が放出する際に他の血小板の凝集を促進し、血管収縮を促すことで止血に貢献します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ADP(アデノシン二リン酸)は、血小板が活性化される際に濃染顆粒から放出され、他の血小板の凝集を強力に促進する作用を持つため、濃染顆粒に含まれる主要な物質です。
- 2. 正解。セロトニン(5-ヒドロキシトリプタミン)は、濃染顆粒に高濃度で貯蔵されており、血小板活性化時に放出されて血管収縮作用や血小板凝集促進作用を示すため、濃染顆粒に含まれる主要な物質です。
- 3. グリコーゲンは血小板の細胞質内に存在し、エネルギー源として利用されますが、濃染顆粒(δ顆粒)の中には含まれません。濃染顆粒の主な内容は非タンパク質性の低分子物質です。正しくは:グリコーゲンは血小板のエネルギー貯蔵物質であり、細胞質に存在するが、濃染顆粒(δ顆粒)には含まれない。選びやすい理由:血小板の機能に必要なエネルギー源であるため、何らかの顆粒に貯蔵されていると思われがち。混同注意:α顆粒や濃染顆粒(δ顆粒)に含まれる他の物質と混同しやすい。
- 4. フィブリノゲンは血漿中の凝固因子であり、血小板のα顆粒には貯蔵されていますが、濃染顆粒(δ顆粒)には含まれません。濃染顆粒は主に非タンパク質性の低分子物質を貯蔵します。正しくは:フィブリノゲンは血小板のα顆粒に貯蔵されるタンパク質である。選びやすい理由:血小板凝集に関わる重要な因子であるため、血小板の顆粒に貯蔵されているという知識から、α顆粒と濃染顆粒(δ顆粒)の区別が曖昧な場合に選択肢として選びやすい。混同注意:α顆粒の内容物(例:フィブリノゲン、フォン・ヴィレブランド因子、血小板第4因子など)と、濃染顆粒(δ顆粒)の内容物(例:ADP、ATP、セロトニン、Ca2+)を混同しやすい。
- 5. フォン・ヴィレブランド因子(vWF)は、血小板のα顆粒に貯蔵されており、また血管内皮細胞からも分泌される糖タンパク質で、血小板粘着や凝固に関与しますが、濃染顆粒(δ顆粒)には含まれません。正しくは:フォン・ヴィレブランド因子は血小板のα顆粒に貯蔵されるタンパク質である。選びやすい理由:血小板の機能に不可欠な因子であるため、顆粒に含まれるという点で正しいように思われるが、α顆粒と濃染顆粒(δ顆粒)の区別がついていないと誤答しやすい。混同注意:α顆粒の内容物(例:フィブリノゲン、フォン・ヴィレブランド因子)と、濃染顆粒(δ顆粒)の内容物(例:ADP、ATP、セロトニン)を混同しやすい。
国試ポイント
この問題は、血小板の顆粒、特に濃染顆粒(δ顆粒)とα顆粒の主要な内容物を正確に区別して理解しているかを問うものです。各顆粒に含まれる物質とその生理的役割に関する基礎知識が重要となります。特に、凝固・線溶系検査分野において頻出するテーマです。
混同注意
血小板のα顆粒と濃染顆粒(δ顆粒)のそれぞれの内容物が混同されやすい。α顆粒にはタンパク質性の因子(例:フィブリノゲン、フォン・ヴィレブランド因子、血小板第4因子、PDGFなど)が多く含まれるのに対し、濃染顆粒には非タンパク質性の低分子物質(例:ADP、ATP、セロトニン、Ca2+、ヒスタミンなど)が含まれる点で区別が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出たら、各顆粒に含まれる物質の化学的性質(タンパク質か非タンパク質か)、およびその物質が血小板機能のどの側面(接着、凝集、放出、血管収縮など)に関与するかを確認する。
関連知識
血小板の構造(表面糖タンパク質、開口分泌系など)、血小板活性化のメカニズム(GPⅡb/Ⅲa、トロンボキサンA2など)、血小板機能検査(凝集能検査、出血時間など)、血小板異常症(血小板減少症、血小板機能異常症など)。